子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

過干渉毒親から逃げる方法:テリトリーの外に出る

ドラマ『過保護のカホコ」はとてもおもしろかった。

 

過干渉の母親の特性がコミカルに誇張されて描かれていた。

 

ドラマでは母親のテリトリーが赤い線で囲まれていたように、

過干渉親には自分が支配者になれるテリトリーが決まっているらしい。

 

その範囲は意外と狭く、自宅から半径数キロ。

 

彼女たちはテリトリーの外に出た瞬間、大人しくなる。

 

私の経験では、県内はやや危険。

 

私が大学で初めて実家を出て1人暮らししたのは同じ県内で

車だと1時間半ほどかかる場所だった。

 

それでも当時摂食障害になっていて学校を休みがちだった

私のことが心配でいても立ってもいられなくなった母は

何度か私のアパートの部屋に勝手に来て(合鍵を持っていた)

片付けたり差し入れを置いて行ったりしていた。

 

県外は安全。

 

違う県になると母は途端に何も言わなくなる。

「辛くなったらいつでも戻っておいでね」と言うだけ。

 

私は31歳で外国へ出た。

 

アジアで外国の中では近いところだった

のだけど、それでも当時パスポートも持っていなかった母から

してみれば、外国はどこであっても果てしなく遠い未知の

恐ろしい世界なのだった。

 

だから私が帰省しない限り母の方から勝手に

様子を見にくることなどなく

 

私が呼んだ時はまるで「借りて来た猫」。

 

日本だと自分が仕切るばかりで

ペットの私に案内されるなんて屈辱とばかりの

態度を見せるのに

 

外国では素直に私に従い、

むしろ異国の地で外国語で喋り、

堂々と道を歩く私に尊敬の眼差しすら向けていた。

 

年に1、2度の短い帰省では特に嫌な思いもしなかった。

 

大成功。

 

なのに私は子供を産むために母のテリトリーに戻って来てしまった。

 

異国の地からテリトリーに帰って来た娘。

さらに世話焼きババア本領発揮の赤ちゃん。

 

母は異国で何しているか分かりようもない娘に

諦めの境地に行きかけていた頃とは

別人のようにギラギラと

執着に引きつった顔になっていた。

 

甘かった。私。

 

距離を取って母も執着を手放し、

変わったのだとばかり思っていた。

 

だから出産で帰っても問題ないと思っていた。

 

母は、全然変わってなどいなかった。

 

テリトリーの外にいる子どもには

何もできないからしていなかっただけで

 

手の届く範囲、知っている範囲に来たら

まるで蜘蛛の巣にかかったかのように

ワシっと捕まってしまった。

 

過干渉毒親はまるで蜘蛛のようだ。

 

自分から獲物を探しに空を飛ぶことはない。

 

ただ自分が作り上げた巣の中で

じ〜っと獲物が戻ってくるのを待っている。

 

死ぬまで、そうして待っている。

 

彼女にとってみれば巣にかかった子供に

干渉することは生きがいであり、栄養になる。

 

だから

 

蝶はいったん勇気を持って飛び立ったら

2度と巣の近くに戻って来てはいけないのだ。

 

蜘蛛が生きている限り。

 

年を取ったから

弱くなって来たから

大丈夫だろう、今までとは違うだろう、と

思ったら大間違い!!

 

ただじ〜っと待っているから大人しく見えるだけで

あって、獲物が巣の近くに戻った瞬間

その目はギラッと輝き

動きは年齢に似合わないほど素早くなる!!

 

 

先日同じように過干渉の母をもつ知人と

話していたら

 

彼女の場合も県内ではあるけれど山奥の田舎の

実家から街へ引っ越した途端に

母親が何も言って来なくなったと言っていた。

 

でも、彼女もまた過干渉親の娘らしく

わざわざ親を自分が住んでいる場所の近くに

引っ越すよう呼んだ。

 

離れたことで干渉して来なくなったから

親が変わった、大丈夫だと思ったのと

 

やっぱり年を取ってきて遠くにいると

なんか気にかかるからということだったそうだ。

 

普通電車で1駅の距離。

 

親が引っ越して来たばかりの頃は

毎週末一緒に食事をしていたそうだ。

 

するとやっぱり過干渉親が復活してきて

彼女はまた会うたびに傷つくようになってしまった。

 

だから今は「もう絶対会わない」と決めたんだそう。

 

本当にね。

 

過干渉親の娘、特に長女は

母親が嫌で嫌で傷つきすぎて離れるのに

 

なんでかまた母が気になって戻って来たりしてしまう。

 

今度は大丈夫なんじゃないか。

分かってくれるんじゃないか。

認めてくれるんじゃないか。

 

そんな淡い無意識の期待を胸に。

 

そして優しすぎる娘たちは

 

お母さんから離れるなんて悪い子なんじゃないか。

お母さん寂しいだろうな。

心配してるだろうな。

 

そんな思いで母のそばに戻ったりしてしまう。

 

でも、、、

 

テリトリーの外にいる間だけ

理解がある風に見えた、大人同士のいい距離の関係

になれた気がした母は

 

テリトリー内に戻った瞬間にまた元の過干渉親に戻る。

 

母の本質は、な〜んにも、少しも

変わっていない。

 

死ぬまで変わらない。

死んでもまだ分からない人も多いんだそうだ。

(能力者談)

 

だから本当に、テリトリーに近寄らない以外に

大人としての自分を守る方法はない。

 

過干渉母に取ってみれば

40歳だろうが子供がいようが仕事で成功していようが

ターゲットになっている子どもはいつまでも

2歳にしか見えないのだから。

 

立派な大人が2歳児と同じ扱いをされたら

やっぱり傷つくんだよ。

 

私にはできないって思ってるんだ・・・

まだ1人前って思ってくれないんだ・・・

どうなっても1人の大人としては認めてくれないんだ・・・

 

これでも一生懸命頑張って生きてるのにな。

成長したんだけどな。

 

って。

 

だから、何があっても戻らない。

蜘蛛の巣には2度と戻らない決意!!

 

旦那が暴れて逃げなきゃ、と思っても

お金がピンチかも、となっても

痛くても苦しくてもどんなことがあっても

 

蜘蛛の巣に戻ったら、元気になるどころか

余計に養分を取られてしまうから。

 

私は今度この家を出たら

何があっても2度と戻らない。

 

2度とここには住まない。

 

2度と来ないということではない。

 

孫を連れて帰省することもあるだろう。

何か用事がある時もあるだろう。

 

基本日帰りで。

もしまた外国に住んでいたらまあ長くても一週間。

 

ダメージは最小限に抑えようと思う。

 

もちろん

 

介護は絶対にしない!!

 

それでいいんだって。

 

もう親の気にいるいい子でいる必要はないんだよ。

 

十分に親孝行してきた。

 

大人になろうとする本能、

自分でやりたい考えたいという自然な気持ち

自尊心

プライバシー

人としての尊厳

付き合ってきた人たちの心

 

そんなものまで全部犠牲にしながら

親が気にいる答えを出せる子どもでいようと

長年やってきた。

 

過干渉親はそれを生きがいに養分にして

元気に仕切って快活なお母さんをやることが

できていた。

 

お父さんとも大げんかしないで離婚しないで

済んだ。

 

全部、ターゲットになった健気な優しい子供の

おかげなんだよ。

 

これ以上、親孝行なんて考えなくていい。

 

自分のために、自分で決めて

自分らしさ全開で生きていい。

 

出よう。

 

じゃ!と潔く何の未練もなく恨みっこなしで。

 

風船にぶら下がって

テリトリーの外に。