子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

元夫を思い出すとき

日頃育児と仕事に追われているし

頭の中の悩みの多くを占めているのは親からどう離れるか

ということなので、離婚成立後は元夫のことを思い出すことも

ほとんどない。

 

だけど昨夜は久しぶりに元夫のことを思い出した。

 

娘が園でのお昼寝が短かったそうで、

晩ごはんを食べたらお風呂も入らずにリビングで寝てしまい

 

思いがけず夜早く1人時間ができたので

ゆっくりテレビを観ることにした。

 

「家、ついて行ってイイですか?」という番組。

 

元夫は、テレビが大好きだった。

 

幼い頃から家では1人の時間が長かったから

テレビが友達なんだと言っていた。

 

子供が生まれるまでは

夫婦で夜好きなだけテレビを観ていた。

 

元夫は、どんなテレビでも必ず私と一緒に

観たがった。

 

子供が生まれてからも私と一緒に観たがったのが

私の怒りポイントでもあったのだけど

 

2人だけの時は、本当にたくさんテレビを観て

2人で笑いあっていた。

 

今、1人であの頃2人で観ていたテレビ番組を

観ていると、可笑しそうに笑っていた夫の笑顔を

思い出す。

 

あーだこーだ突っ込みながら

夫は私の突っ込みにいちいち笑い転げていたなあ、

とか

 

そんな能天気に過ごしていた時間のことを

思い出すと

 

なんか、本当はそれだけで幸せだったんじゃないか。

私たちは、お互いに求めすぎたんじゃないか。

と思った。

 

夫は子供が欲しいと言ったし

私は夫に仕事をして欲しいと言った。

 

私たちは普通の夫婦ではなかったのに

世間一般の暮らし方をしていなかったのに

 

人並みになることを互いに求めた。

 

そして、壊れてしまった。

 

「人並みであること」

「みんなと同じであること」

 

それを求めたのは、もしかしたら

私たちの本心ではなくて、親や世間、メディアの

洗脳があったんじゃないか。

 

「こういうのが幸せなんだよ」

 

とモデルを見せられて

押し付けられて

 

それがまるで自分の本心であるかのように

自分自身も錯覚していたのではないか。

 

そこから外れていることは罪なこと

恥ずかしいこと

人に言えないこと

 

そんな風に思い込まされていただけなんじゃないか。

 

「家、ついて言ってイイですか?」

という番組の中で

 

「家族より大事なものなんかないよ。

ずっとここで、この先祖代々の家で

みんなで暮らすんだ。家族や仲間とお茶を飲む。

それが最高の時間さ。」

 

と語ったイランの若者の言葉を聞いて

 

高望みして全部壊してしまったかも

しれない自分たち夫婦のことを思い

 

少し悲しくなった。

 

離婚してから、悲しいなんて思う暇もなかった。

 

一生共に生きようと一度は誓った人と

5年間毎日一緒にいた人と別れたのに

 

悲しい、と思うこともなかったなんて。

 

きっと、幼い娘と一緒にいるからだろうな。