子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

崩壊している家庭で育つのと成人してから家族が崩壊するのと。

40歳を過ぎて、自分が親になってから

生まれ育った家族が崩壊した。

 

崩壊したと言っても両親は側から見れば

円満で、何も変わらず、全員健在なのだけれど

心理的に崩壊した。

 

片親でもなく

DV家庭でもなく

ステップファミリーでもなく

病気や障害があるわけでもなく

酒乱でもなく

借金夜逃げとかでもなく

 

至って普通の

公務員の父とパートの母の元で

二人姉妹の長女として

日本の田舎の

普通の学校に行き

成績優秀で

はっきりしたいじめに遭うこともなく

事故にも事件にも遭わず

不純異性交遊(笑)や夜遊びとは

縁遠い優等生な学生時代を送り

 

母の手作りのおやつと手料理で

スクスクと育った。

 

私の個性が出てきたのは

大学入学後で

勉強しか知らなかったそれまでと

違い、お酒を覚え、恋愛を覚え

楽しむことを知った。

 

かごの外の広い世界を知ると同時に

それまで抑圧されていた心がはじけ

摂食障害になった。

 

だけどそれも

親元を出て当時の彼の愛に支えられ

5年で完治した。

 

私より一足早く、

高校時代に拒食症になった妹からは

一方的に憎まれていて

 

それでも私は家族を愛し、

信じ、健気にみんなの雰囲気を

和ませる道化師の役割を自ら

演じていた。

 

大学で摂食障害を発症した私は

留年して、さらに就活をすることもできず

フリーターになり彼氏と同棲を始めた。

 

その辺から

私の個性的な人生が幕を切った。

 

この頃、母がどう思っていたのかは

よくわからない。

 

ただ、私は彼氏がいる限りは

盆にも正月にも帰省しなかった。

 

失恋したり、仕事をやめた時に

不意に突然帰る。

そんなことを繰り返していた。

 

それでも20代の私は

いつか素敵な人と幸せな結婚をし、

生涯添い遂げることを

信じて疑ったことはなかった。

 

彼氏ができるたびに

両親に認めてもらえるかな?

そればかり考えていた。

 

結婚したら

親を喜ばせることができる。

 

だから私の結婚生活の妄想には

必ず両親の顔もセットで浮かんでいた。

 

二人で実家に行って

食卓を囲む風景。

 

父と夫が、晩酌する風景。

 

家族全員で旅行に行く風景。

 

子供が欲しいとは思っていなかったので

子供が生まれたら、という妄想は

妊娠するまでしたことがなかったけれど。

 

夫と、両親と仲良く

楽しく暮らしている日々を

妄想して、信じていた。

 

確かに、一度はそれは叶った。

 

何度も一緒に食卓を囲んだし

夫はお酒が飲めなかったけれど

父と二人縁側で語り合う時間をもてた。

 

一緒に旅行もした。

 

親孝行してる。

そう信じて、安心していた。

 

それなのに

子供が生まれた瞬間

いや、妊娠した瞬間

全てが崩壊していくなんて。

 

40歳になってから家族の崩壊を

経験するとは

夢にも思っていなかった。

 

自分の家は問題がない。

健全な家庭で

愛されて育った。

 

本当に、38歳まで

本気でそう思っていたから。

 

だから夫の育った家庭環境を

大変だなあと思い、

夫を救ったつもりでいた。

 

夫の家は

親族同士の血みどろの争い

母と異母の姉が包丁を持って

睨み合うとか

酒乱の父に5歳の頃ぶっ飛ばされて

頭を縫ったとか

父が母の頭を椅子で殴ったとか

叔母さんが飛び降りたとか

 

幼稚園児の頃育児放棄されてて

シッターに育てられたとか

雀荘で遊んでいたとか

 

高校時代バイクで事故ったとか

学校サボってゲーセンにいたとか

薬物の話とか

 

私からすれば

小説や映画の中の話みたいで

そりゃあ精神病むわ、と

納得するような環境だった。

 

家系の多くは離婚していて

 

だから

彼は私とは喧嘩のない

平和な家庭を築きたいと

末長く一緒にいたいんだと

願っていた。

 

私は彼のそんな夢を

叶えてあげられると

自信を持っていた。

 

4年前

そんなものが全て泡になって

壊れて

離婚と同時に育ちの家族に対する

気持ちまで失って

もう、何の感情もなくなった。

 

帰る家はない。

 

そんな気持ちになった。

 

夫は、若い頃から

あそこに自分の居場所はない。

帰りたくない。

そう思ってきたと

 

生まれ育った家のことを

言っていた。

 

今の私にはその気持ちが

痛いほどわかる。

 

そして今好きな人も。

 

小学生の時に両親が離婚して

祖母に育てられた。

どちらの親にも引き取ってもらえなかった

ことは、親は自分のことはどうでもいいんだと

彼の傷になり

 

まだ20代前半だけれど

故郷に帰りたがらない。

 

物理的に故郷に家はあっても

心の中に帰りたい実家のない私たち。

 

今の私の夢は

そんな二人が

過去の辛い経験はこの幸せのため

だったんだね、と思えるような

未来を作ること。

 

形は違えど、親のことで苦しんできた

私たち。

 

20歳で家族の不健全さを自覚する人もいれば

40歳で自覚する人もいる。

 

崩壊している家庭で育ったら

確かに傷は深い。

子供時代は戻ってこない。

その時は、きっと何もできない。

 

でも人生をやり直すにはたっぷり

時間がある。

 

成人してから家族が崩壊したら

ショックは大きい。

努力して積み上げてきたものが

あるだけ、ダメージも大きい。

 

やり直す時間も、多くはないかも

しれない。

でも経験と知恵を持った大人の

頭と心で、対処できる。

 

どんな家庭で育ったとしても

どんな親だったとしても

気づいて離れることさえできれば

精神的に真に自立できれば

何歳からでも幸せで平和な家庭を

築くことはできる。

 

私は遅い方だったかもしれないけれど

それも私の魂が設定してきた人生だと

今後のドラマチックな展開に

ワクワクしながら大人の人生を

楽しみたい。