子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

根無草人生

私はなんだか、根無草のようだ。

 

独身の頃から引越しばかりしていて

大抵3年以内に別の場所に移っている。

 

20代は日本国内で

30代からは舞台が世界に。

 

大学時代の友人からも

新年の挨拶のたびに居場所が

変わっているから

「今どこにいるの?」が

挨拶になっている。

 

夫も同じように放浪癖のある人だったから

結婚生活はイコール旅だった。

 

それでも私の心の中には

故郷という帰る場所があった。

 

まだ親を信じていた頃

実家を自分の帰る場所だと思えていた頃

 

どこに住んでいても

どんなに遠くへ旅をしても

気を休めたいとき

知った場所で骨休めをしたい時

何かに守られたいとき

帰る場所があると思っていた。

 

今、故郷を捨て

親にもそれを伝えてしまい

本当に根無草になった気がする。

 

夫がいて

3人の家庭という形であれば

故郷を捨てても

親を捨てても

今ここが私の居場所、

私の家だ、と思えたと思うけれど

 

幼い娘と二人

私はまだ外国でふわふわしている。

 

勤務先の大学が提供してくれている

立派な家がある。

でも、この家が居場所だとは思えない。

いずれ離れる場所。

きっと、近いうちに。

 

外国人という立場

契約書でつながっている関係

仮住まい。

お客さん。

 

そして今は民泊に滞在している。

3週間で3つの民泊に滞在予定。

長すぎる冬休みを、少しでも

楽しく過ごすために、家族のいない私たちは

旅をしている。

 

なんだか、ずっとこんなことをしているなあ、

とふと思った。

 

子どもが生まれてからも

赤ちゃんの頃から

私はなぜか娘と二人でホテルにいることが多い。

 

1歳のころ

夫が発狂して

暴れる夫から逃げるために

夜中に子どもを抱えて歩いて

夫といたホテルから近くのホテルに

移ったことがある。

 

あの頃、夫と3人でホテルや民泊に

泊まっていても、彼とは一緒に

寝ていなかった。

 

夫は夜中中起きていて、

朝方に寝たりしていたから

夜、子どもと自分の睡眠を確保するために

部屋が2つ以上あるホテルを選び

別々に寝ていた。

 

夜中に暴れ出した時には

別の場所に避難したり

夫に出て行ってもらったり。

 

1歳の子どもを連れているのに

めちゃくちゃだったな。

 

だから私は、娘と二人でホテルや

民泊の部屋にいることが多かった。

 

夫は、いても、いなかった。

 

そして、本当にいなくなった。

 

私は娘が6歳になった今も

まだ二人旅を続けている。

 

私は今月45歳になる。

 

45歳の誕生日を

祝ってくれる夫がいないことを

25歳の私は想像していなかった。

 

若い私は

こんな40代を全く想像していなかった。

 

人生って、本当に何が起こるか

わからないね。

 

娘が、

「ママお誕生日何が欲しい?

りんごが買ってあげる!」と言う。

 

「え〜?買ってくれるの?

お金持ってるの?」

 

「ううん、違う!

買うのはママだけど、でも

りんごがあげるの!」

 

今日、観光ついでにアクセサリーの

お店に入った。

 

娘が、一人前に

「ママどれがいい?この指輪は?」

と言って私の指にはめる。

 

その気持ちと

一人前の言葉が可愛くて

嬉しい。

 

だから私は孤独じゃない。

 

小さくても、気持ちは一人前で

私への愛は誰よりも強い娘が

私の誕生日を祝ってくれる。

 

だけど願わくは

来年は3人か、それ以上で。

 

もう人生半ば。

そろそろ根を下ろしたい。

下ろせる場所を見つけたい。

 

ここが私の居場所と思える場所。

私がホストになれる場所を。

 

それが、今年の最大の願い。