子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

健全な家庭で育った人と毒親家庭で育った人はケンカの仕方が違う

子どもの幼稚園が始まって

40日ぶりの1人時間は、恋愛映画を見ることにした。

 

菅田将暉尽くし。

 

 

 

 
「糸」からの「花束みたいな恋をした」
 
どっちもアマゾンプライムで観られます。

 

 
それで、思ったこと。
 
『花束みたいな恋をした』で
恋人の2人がケンカするシーンが2、3度あるのだけど
 
私は
健全な人ってこんな感じでケンカするの?!と
ちょっと驚いた。
 
そして、自分の過去の恋人や
夫とのケンカを思い出していた。
 
この映画は、ドキュメンタリータッチで
淡々とした映画で、
演技も、飾らず作らず極めて自然体なので
カップルのケンカも本当にリアルだった。
 
だけどもそのケンカは、私にとっては
全然リアルじゃなかった。
 
生活や思いのすれ違いがあって
違いに不満があって
ちょっと口調がキツくなって
でも、2往復くらいですぐに
お互いに
 
「言い過ぎた。ごめん」
「こっちこそごめん」
 
と謝って
「お茶いれるね」とか言って
すぐに2人で同じテーブルに座ってる。
 
これが、健全育ちのケンカなの?!
 
この2人は、根っこが安定している。
 
心の根っこが、安定している。
 
土台が、愛で満たされている。
 
ケンカしてても、互いを思いやっていて
大切にしたいという思いが
溢れていて、不満を口にした端から
謝る。
 
根っこが安定しない人は
親の愛情を十分にもらえずに
育ってしまった人は
 
恋人や伴侶とケンカした時
必要以上に傷つき過ぎて
ヒートアップしてしまう。
 
愛する人から投げかけられた
理解のない言葉や
冷たい言葉のたった1つに
幼い頃から耐え忍んで
ため込んできた悲しみや怒りの
スイッチが押されて
火がついてしまう。
 
2往復くらいで済むはずもなく
声を荒げて、時には物を投げて
自分が全否定されたような気になって
相手のことも全否定するような
ことを言ってしまって
 
もういい、どうにでもなれ!と
自暴自棄な気持ちにまで
なったりする。
 
時には一晩中言い合いしていたり
気持ちが治らなくて
その後一緒に寝るなんてできずに
どっちかがソファで寝たり。
 
謝るのは、早くても翌日。
何日も引きずっていることだって
よくあった。
 
些細なすれ違いを
この世の終わりくらいに
絶望して悲観して
 
自分で問題を大きくしてしまう。
 
自分が傷ついたことをわかって欲しくて
何度も何度も大きな声を出して
必死に訴えてしまう。
 
それが、私にとっての普通のケンカだった。
 
そして夫は、そんな私のケンカさえも
「こんなのケンカのうちに入らない」
とよく言った。
 
彼の家では
暴力が日常にあって
椅子で頭を殴ったり
父親が5歳の子を突き飛ばして
頭を何針も縫うけがをさせたり
イカを頭に投げつけたり
包丁を持って睨みあったり
 
そんな夫婦喧嘩、家族のケンカが
彼が見てきたものだったから
 
ペットボトル投げつけるくらい
ケンカのうちに入らない、と
彼は言った。
 
口喧嘩は、ケンカじゃないと。
 
でもそんなの、絶対に普通じゃない。
 
ケンカのたびに命の危険を
感じるようなこと、普通じゃない。
 
そのような暴力が健全じゃないこと
くらいは、私にもわかった。
 
だけど、私のケンカも、健全ではなかった。
 
離婚するかどうか迷っていた時
相談した心理カウンセラーさんに
言われた。
 
ケンカが日常なんかじゃなくて
穏やかに、不満を伝えるときも
穏やかに敬意を持って
平和的に
お互いを尊重しあえる
自立した大人同士の愛情って
存在するんですよ。
 
そんな人はたくさんいるし
あなたにもそれはできます。

 

すぐに「死にたい」と言ったり

階段から転げ落ちて見せたり

包丁を持ち出してきたり

何かを顔目掛けて投げてきたり

 

そんな、激しいケンカは

当たり前じゃないということ。

 

そういう過剰な反応をしてしまう人は

今相手に対して怒ったり悲しんだり

しているわけではなくて

 

今の相手の言葉や態度に

子どもの頃の傷口が刺激されて

抑え込んできた悲しみや怒りが

溢れてしまっているだけ。

 

恋人や夫や妻に怒っているように

見えて、本当は、親に対して

思いをぶつけている。

 

親にぶつけられなかったから

親に傷つけられたという事実にさえも

蓋をして抑え込んで生きてきたから

 

必要以上に傷つき傷つけられるのが

愛情の見本、心の土台になっているから

今目の前の愛する人に対して

そんな反応をしてしまう。

 

そしてそれは、自分ではなかなか

止められない。

 

本当は親に対して怒っているのだと

子どもの頃の自分が悲しんでいるのだと

しっかりと気づいて認めてあげるまでは。

 

こんな平和なケンカができる関係なら

別れる理由はないじゃないか、と

映画を見て思った。

 

でも、それが若い恋愛でもある。

 

もし夫婦になっていたら

言い合いになってすぐ「ごめん」と

言えるような人と、別れないと思う。

 

私は、少しケンカになったときに

階段から転げ落ちて見せた人婚約者とは

別れた。

 

夫とは、家に火つける、と夜中に

ライター持ってウロウロされたり

私目掛けて飛んできた何かが

0歳の子どもの顔をかすめたり

そんなことが出産後1年続いたから

 

仕方なく、離れることにした。

 

なんだ、私結構壮絶だな。

毒親育ちなんだな、やっぱり。

 

子ども産むまで気づいてなかったけど

情緒不安定な恋愛をしてきたかもしれない。

 

私の愛の土台は、グラグラだった。

 

もう気づいたから、

今度は健全な人を選べると思う。

 

ケンカになっても、感情が

暴走しない気がする。今の私なら。