子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

子どもがいることの何がしんどいのか:ペースを乱される

子どもがいること、子育ての何がしんどいのか。

 

子ども好きの大学生に聞かれたことがある。

 

「子どもは可愛くて楽しいじゃないですか。

子どもがいることの何がそんなにしんどいんですか。」

 

自分が子どもを育ててみなければ

絶対にわからないこと。

 

たまに子どもと遊ぶだけでは

絶対に理解できないこと。

 

おそらく若い保育士や幼稚園の先生も

親のしんどさは完全には理解していない人が

多いと思う。

 

仕事の時間に子どもと接するのと

家庭生活の中で常に子どもがいるのとでは

全然違うから。

 

私は子どもと暮らすことが疲れる

最大の要因は、ペースを乱されること

だと思う。

 

親の常套句は

「早くしなさい」

「早くして」

 

子どものペースは大人より常に

ゆっくりで

いつも何かに追われて時間がないと

焦っている大人をイライラさせる。

 

早く寝てほしいのに寝ない。

半には出ないとバスに間に合わないのに

まだ着替えてない。

大人の足なら10分で着くのに

遊びながら、止まりながら

小さい足で歩くと30分かかる。

 

荷物が多くて早く帰りたいのに

途中で高いところに登って遊んだり

抱っこを要求してきたりする。

 

外出から帰ったら

お茶を飲んで少し休憩したいのに

帰るなりおもちゃの箱を開けろと

持ってくる。

 

大人同士でいるときは

すんなり進めたことが

何一つ思い通りに進まない。

 

夫婦2人の生活は

どれほど楽だったことか

子どもが来て初めて知ることになる。

 

やりたいこと

やらなければいけないこと

仕事も家事も自分の着替えも

息抜きにお茶を飲むのも

 

全て子どもによって中断させられる。

 

子どもが近くにいる時は

チャットの返信1回分の

テキストさえ

一度に打ち終わることができない。

 

途中で呼ばれる。

話しかけられる。

 

子どもは、大人が何をしているかは

お構いなしに、完全に自分の都合で

話しかけてくる。

 

「これ急ぎの仕事の連絡なんだから

ちょっと黙ってて!」

ついには声を荒げることもある。

 

歯磨きも、トイレも、顔を洗っている時も

着替えをとりに行く一瞬も

飲み終わったコップをキッチンに置きに

行くその一瞬でさえも

 

子どもが後をついてきて

自分の話をしてくる。

 

うちは母1人子1人だから

余計にその時間が多いのかもしれない。

 

娘には私以外に話しかける相手が

いないから、6歳になってもまだ

後追いしてくる。

 

兄弟がいれば

父親がいれば

祖父母がいれば

 

私がキッチンに行く一瞬さえも

ついてきたりはしないのかもしれない。

 

だけど現状は、うちはこんな感じで

 

トイレさえも集中させてもらえない。

顔を洗った後に自分の顔を少し

見るのさえ邪魔される。

 

これでイライラしなかったら

菩薩だと思う。

 

もう6歳だから

私は時々いう。

 

「ママも自分を見たい時があるの。

いつもいつもりんごのことばかり

見ていられないのよ。」

 

それでも娘はお構いなしに

「ママ〜見て!」を

連呼する。

 

時々冷たい目になってしまう。

 

部屋の中で転んだくらいでは

2歳の時のように駆け寄って

なでなでしてあげたりしない。

 

もう6歳なんだから転ばないように

注意すればいいでしょ、と思っている。

 

それでも娘は

ママが飛んできてよしよししてくれるのを

期待する。

 

そして

自分の昔の写真を眺めては

「りんご小さい時の方が可愛かったね。

もう6歳になってだんだん可愛くなくなった。」

という。

 

前は、自分がもっと小さくて可愛かったから

ママは何をおいても自分のことを見てくれた。

飛んできてくれていた。

 

今は、もう大きくなって前よりは

可愛くなくなったからママは前より

自分を見なくなったんだと

彼女は理解しているらしい。

 

そうじゃないよ。

今もずっと可愛いよ。

ずっと可愛いし宝物だと思っているよ。

 

だけどママにも自分を見る時間がいるの。

急いで返事をしないといけないお仕事の

連絡があるの。

ママも休憩がいるの。好きなことをする

時間がいるの。

 

もう6歳だから自分でできること

いっぱいあるでしょ。

自分でできることは自分でしてほしいの。

 

そうしないと全部ママ1人で

ママだけ疲れちゃうでしょ。

 

大人の事情はまだ理解できない。

だけど言ってもわからない歳でもない。

 

着替えも、顔を洗うのも

お尻を拭くのも

自分でできるようになった。

 

だけど、ママには見ていてほしい。

 

そんなふうに、

子どもといるとペースを乱される。

 

常に自分のペースを乱されているので

心臓の鼓動も乱れている。

 

最近不整脈、動悸がまた

気になるようになった。

 

人智学の学者で

幼児教育の専門家でもある

シュタイナーが言った。

 

人間はリズムでできている。

 

生活のリズムが狂うと

体内のリズムも狂っていく。

 

心臓の鼓動のリズムは

生きる源。

 

外側の世界のリズムが

他者によって乱され

調和が取れないことが長く

続いた時

 

命の源の心臓のリズムまでも

乱れる。

 

育児は心臓に負荷がかかる。

そう思えば、親はまさに

命がけで、子どもを育てていると

言える。