子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

子どもを持つと失うもの・得るもの

今期見ているドラマ

「星降る夜に」

tver.jp

 

歳の差恋愛だけでなく、ろう者、妊娠出産の物語など

盛り沢山なテーマが組み込まれているドラマ。

 

吉高由里子って本当魅力的な女優さんだなあ。

 

それはさておき。第4話は、泣けた。

 

主人公一星の同僚で親友でもあるハルが

奥さんが妊娠したことを喜べなくて

親になる自信がないと涙を流しながら医者に語る。

 

助産師の若い女性もまた

人の出産は感動するけど見れば見るほど

自分が子どもを産むのは嫌だなって思う、と。

 

子ども持ったら失うものが

多すぎませんか、と。

 

自分のための自由な時間

お金

体力

仕事

キャリア

夫婦だけのロマンチックなひととき

夫婦の愛さえも・・・

 

確かに一時的に失うものは多いし

永遠に失うものもある。

 

私は、子どもの出産と引き換えに

夫と夫家族、妹を失い

両親、特に母親に対する信頼と愛情を

なくした。

 

夫と2人の結婚生活の時に持っていた

たくさんのお金と自由な時間

 

気が向いた時に旅行に行ったり

夫婦で一晩中映画やドラマを観たり

夜のパーティーや友人との集まりに

参加したり

ネットカフェで漫画や雑誌を読みながら

過ごしたり

 

そんな日常を失った。

 

大きなトラブルがない家族でも

自由な時間やお金は当然失うし、

女性のキャリアの

一部も失うことが多いだろう。

 

私の場合も

子どもの誕生で環境が激変した。

 

人生が大きく変わった。

 

私は、ずっと子どもを産むことを

人生のプランに入れていなかった。

 

昔から子どもが苦手だったし

両親が末っ子なので従兄弟の中で一番

小さい兄弟だったから、小さい子と接する

機会もなく

子どもと生きる人生は想像できなかった。

 

人間の子どもより、動物が好きだった。

犬が世界で一番可愛いと思ってきた。

 

人生のパートナーは欲しいと思っていたから

結婚は当たり前にするつもりだったけれど

夫婦2人で生涯添い遂げる人生に憧れていた。

 

だから夫が子どもが欲しいと言い出した時

最初は躊躇していた。

 

何より夫は統合失調症という不安定な精神を

持っていて、仕事もしていなかったのだから

世界を放浪する自由すぎる結婚生活を送る

私たちには、子どもは無理だと私は

考えたし、私は欲しいと思ったことがなかった。

 

それなのに、責任感が皆無の夫は

純粋な子どもと一緒にいれば自分の心が

救われる気がしたのだろう。

 

ただただ、純粋無垢で愛しかない

子どもと一緒に楽しく遊んだり

絵本を読んであげたりするシーンだけを

想像して、子どもが欲しいと言っていた。

 

私も、もしかしたらそれで夫の心が

癒され、症状が良くなるかもしれないと

少しは考えた。

 

子どものためにお金を稼ぐとか貯金するとか

子どもの学校があるから頻繁に居住国を

変えるわけにはいかないこととか

 

乳児期の育児の大変さも

彼は全く想像も理解もしていなかった。

 

夫のように、何も考えずに

子ども欲しいと言う人も問題だと思うけど

 

ドラマのハルのように

親になる自信がない。

子どもができるのが怖い。

不安で仕方ない。

 

と怯えすぎるのもまた問題だ。

 

誰でも最初から親になれるわけじゃなく

子どもに親にしてもらう。

 

子どもと接する中で

都度学びながら

親になっていくものだ。

 

母親は妊娠期から準備でき

生んだ瞬間からある程度親には

なっているけれど

 

父親の場合は時間をかけて

親らしくなっていけばいいと思う。

 

子どもを持つと失うものは

確かにある。

 

一時的に失うものは誰にでもある。

 

中には永遠に何かや誰かを失うこともある。

 

それでも

子どもを持つと得るものはあまりに大きい。

 

とてつもなく大きすぎて

偉大すぎて

子どもが生まれるまでは絶対に想像できない。

 

子どもは、想像を軽く超えてくる。

 

子どもが欲しいなんて

他人の子どもを可愛いなんて

思ってことのなかった私は

 

産院で授乳時間になると

泣き声をあげて私を待っている

我が子の声と姿に

ハートを射抜かれた。

 

なんだこの可愛い生き物は!!

 

こんな愛らしい存在が

ただひたすらに私だけを待って

声をあげている・・・!

 

なんて愛おしいのだろう!!!

 

それ以降も

急に変顔になる2ヶ月の我が子

お散歩行こうとコートを着せたら

満面の笑顔になった我が子

 

笑い顔も泣き顔も

変顔も

目も鼻も口も髪も

手も足もお腹もお尻も

その存在の全てを心から

愛おしいと思える存在がそばにいて

 

私を求めていることに

感動せずにはいられない。

 

娘にはこの7年間で

何度ハートを射抜かれたことだろう。

 

これまでの7人との恋愛の全過程を持ってしても

到底太刀打ちできない破壊力。

 

これが愛か〜

これが人を愛するという感覚なんだ!

 

子どもは愛を教えてくれる。

命の輝きを教えてくれる。

 

命ってこんなにもキラキラしていて

強くて尊いものなんだと

魂に直接理解させてくれる。

 

私は死にたいとガラスのような目で

言ってくる夫と

生後2ヶ月の娘の生命力の眩しさを

交互に見ている時期があって

 

そのギャップにめまいがしそうだった。

 

赤ちゃんの生命力の輝きと

生きようとする強さ

この世界を全力で楽しむぞと言った

純粋な笑顔

 

このパワーは、大人の汚れたどーしようもない

くだらない諸々を圧倒的に凌駕する。

 

乳児期、幼児期、そして今

小学1年生になり学童期に入った我が子

 

この7年間

ずっとずっと全てが可愛くて

面白くて想像を超えてきて

ムギュムギュしてしまう愛おしさ

 

もちろん腹が立つことはある。

本気で怒る時もあるし

あんたがいたら何もできん!!と

ストレス爆発することはしょっちゅう。

 

小さい子が家にいたら

母親は本当に何もできない。

 

何も。

 

LINEの返信1つ一回で最後まで

打てない。

自分の髪を鏡を見ながら梳かすことも

ドアを閉めてトイレに集中することさえも

できない。

 

それくらい子どもは常に

ママママ〜と絡んでくる。

 

私はこうした母親なら誰でも失うもの

以外に

家族を4人失った。

 

子どもを産んだら

人生のパートナーがいなくなった。

 

40代でシングルマザーになり

恋愛体質の私も流石に

すぐ恋愛というわけにいかなくなった。

 

時々

まさかこのまま一生男のいない人生?

子どもが巣立ったら1人?

 

と不安になる。

 

それでも

子どもを産んだことを後悔したことはない。

 

子どもが与えてくれるものが

失ったものよりずっとずっと大きいから。

 

子どもは親に精神的な学びをたくさん

与えてくれる。

 

どんどん成長していける。

 

人間のことを理解できる。

 

私は、子どもと一緒に自分の

精神がどんどん成長しているのが

楽しくて仕方ない。