子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

死別してもまた誰かを好きになってもいい

今期は、死別シングルファーザーのドラマが2本もある、まれなクールでしたね。

 

『西園寺さんは家事をしない』

『海のはじまり』

 

配偶者と若くして死別した人は、その後自分が別の誰かを好きになって幸せになることを、ためらうことが多いと思う。

 

亡くなった人を胸の中でずっと思い続けることが、美談のように言われたりする。

 

嫌いになったとか許せないことがあったとかではなく、死によって終わりを迎えたから、別の誰かを愛することは、亡くなった人を忘れるような気がして、本人も、周りの人も、そこに罪悪感を持ちがちなのではないかと思う。

 

でも

 

どれだけ想いがあったとしても、死んだ人はもうそばにいない。

 

一緒に笑い合ったあり、喧嘩したり、ご飯を食べたり、添い寝したりできない。

 

旅行したり、人生プランを一緒に考えたり、困った時に相談したり

 

辛い時抱きしめてもらったり、一緒に食器を選んだりできない。

 

離婚でも死別でも、一人になったという事実は同じで

 

別に独身主義者でもない、一度結婚生活を経験している人にとって

また、一人で生きていることは、一度も結婚せずにずっと一人で生きているのとは

全然違う。

 

確かにあったものを失ったら

たくさんのことを共有していた人を失ったら

 

心に大きな傷ができて、体の一部がなくなったような感覚になって

 

辛いに決まっている。

 

そんな大きな傷を抱えながら、この先もずっと一人で頑張って行かなきゃいけないの?

 

特に子供がいる場合

 

ひとりで全部やるのは本当に無理だし、パパかママのどちらかがいないことで、子どもだって少なからず傷ついている。

 

わたしの母は、わたしが「もう離婚するしかないのかな。まあ、また再婚できるかもしれないし、決断するか!」と自分を奮い立たせようとした時

 

即座に「再婚なんかあかんで。子どもが不幸になる!」と言った。

 

その時娘はまだ2歳になったばかり。

 

母は、「裁判でもなんでもして早く離婚しろ」と躊躇するわたしを急かしたあげく、再婚の希望までも即座に否定した。

 

2歳の子どもを抱えて、その先わたしがずっとひとりで全てを頑張ることを、望んだ。

 

いや正確には、パパの代わりに自分が孫育てをして、義父母を消して娘が自分の老後にそばにいることを願ったんだった。

 

「再婚なんか子どもが不幸になる」

 

とんでもない偏見で、決めつけだ。

 

再婚して一度目の結婚よりずっと幸せになっている家族なんてたくさんいる。

 

母は、一部のニュースでみる再婚相手や内縁の夫が連れ子を虐待した事件などを見て、それが根拠だという。

 

それは本当に一部に過ぎないし、だいたい、母親のくせに自分の娘がそんなロクでもない男を選ぶと思っていることがもうアウトだね。

 

離婚であっても死別であっても、また人を好きになってもいい。

 

その人が今のわたしの全てを受け入れてくれるのなら、一緒になっていい。

 

亡くなった家族は胸の中にいる。

 

別の人を好きになっても、忘れるわけじゃないし、一緒にいた過去は消えない。

 

天国へ行った人をずっと愛しながら

今生きている別の誰かを愛することだってできるし

 

それでいい。

 

魂に戻った人には、愛しか残っていない。

他の人を愛したからといって嫉妬したり憎んだりなんか絶対にしないのだから。

 

生きているわたしが、楽しく幸せに生きることが何より大事で

 

未来に希望を持って、今を幸せに生きることができて初めて

亡くなった人と一緒にいた日々に感謝できるし

 

天国で平和になろうとしている魂をこの世に縛り付けるような後悔や罪悪感を、手放すことができるのだから。

 

”死別しても、また誰かを好きになっていいし、幸せになっていいんだよ”

 

今期の死別シングルのドラマからは、そんなメッセージを受け取りました。