毒親には大きく分けると3つのタイプがある。
1、身体的精神的暴力を与える虐待型
2、育児放棄型
3、過干渉型
どのタイプも子どもに与える悪影響は甚大で、一生消えない傷を子どもにつけるが、生活面で子どもが成人した後も長く被害を与え続けるのは、過干渉型だと思う。
あからさまな虐待を受けていた場合は、保護されたり自立能力がついてから親から逃げることで解放される。
育児放棄の場合、子どもの間は地獄だけれど自活能力がついて親から離れれば影響は少なくなる。
心に負った傷を癒すのは一生できないかもしれないし、自分の精神を回復させるのには長い年月を要する。
それでも、親から離れることさえできれば生活面での影響は無くすことができる。
ところが、過干渉親の場合はそうはいかない。
1つは、過干渉の場合は子ども自身が気付くのが遅くなる。
過干渉の毒は非常にわかりにくく、子どもは親を信頼するあまりに「愛情表現」「過保護」なだけだと捉えてしまう。
私自身もそうだった。
19歳で摂食障害になった時に本を読んだりして「お母さんが原因かも」と気づいたけれど、「いや、悪いのは私。私が親不孝なんだ」と思い直してしまった。
34歳で結婚した時も、育児放棄と身体的虐待のどちらも部分的にあった夫の生い立ちを、可哀想だと思い、自分は両親に愛されて恵まれている、などと本気で思っていた。
妊娠する前に夫婦で占ってもらったミャンマーの当たると評判の盲目の占い師に
「邪魔するのは奥さんの親。ご主人の親は何もしない、応援している」と言われた時
「え?うちの親が?」と信じられなかったほど、私は洗脳されていた。
結果、その占いの通りに私たち夫婦は私の母親の邪魔によって家庭を壊されてしまった。
あの時ちゃんとそれを信じて、母から距離をとるべきだったと、後悔しても仕切れない。
お母さんを信じてしまった健気な自分が悲しすぎる。
虐待親と育児放棄親の影響は、結婚して別の家庭をもてばほぼ無くなるのではないかと思うけれど、過干渉親は結婚した後も追いかけてくる。
あの手この手で子どもの人生に介入し、思い通りにしようとしてくる。
それは善意の仮面をつけているから、子ども本人も周りも気付きにくいし、気づいたとしても非難することも難しく、逃げるのが本当に難しい。
実際、一生許されないことを母がしたあとでさえも、父と妹は母の本性に気づいていない。いや、薄ら感じることはあっても、かつての私と同じように「そんなことあるわけない」「お母さんはいつも一生懸命やっている」と思い込もうとしているのかもしれない。
夫を奪われた挙句に知らん振りでまだ善人のていで接してくる母から、私はいまだに逃げ切ることができていない。
早く新しい家庭を作って完全に縁を切りたい。
いろいろ理解してきた娘も、すでにバアバのおかしさに気づいており、それがいいと言っている。
過干渉毒親の場合は、死ぬまで子どもに干渉し続ける。
親が死んでからやっと自分の人生を生きられるようになったという人の話も聞く。
私は、親が死ぬのを待つのではなく、生死に関わらず自分の人生を母の魔の手から守りたい。これ以上、壊されるわけにはいかない。
私が相談した毒親カウンセラーさんの中に、「毒親にもいろんなタイプがいますけど、過干渉タイプが実は一番悪質なんですよ」と言った人がいる。
善意の仮面で見えにくくしつつ一生子どもの人生をコントロールし続けようとするのは、本当に悪質だ。