視聴者の感想が大荒れしたドラマ『わたしの宝物』が終わった。
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浮気してできた子どもを夫の子だと嘘をついて半年育てさせた女が最終的に夫に許されて「一緒に罪を背負っていこう」と言われ、浮気男は身をひいて海外へ旅立つという最終回。
そんなうまい話ない、全然納得いかない、という声が多く、特にサレ妻さんたちからは大批判だったよう。
Xの声↓
シングルマザーとして7年間子どもを育ててきた私は、「1人で育てます」って言うな!意地も見栄も罪悪感も捨てて、目の前の男をつなぎ止め、一緒に育てるんだよ!と思っていたので、冬月くんはちょっと可哀想だけど、子どもがパパを失わなかったのは本当に良かったと思った。
同時に、大きな罪を犯したこの夫婦が幸せになって、何も罪を犯していない私たち夫婦が不幸になった原因がよくわかったので、まとめてみる。
モラハラ、浮気、托卵という3つの大きな罪を犯した夫婦が幸せになれた原因
SNSでは「浮気女が元さやで幸せになる結末なんて納得いかない」「そんなうまい話ない」「旦那モラハラしてたのに子どもができて改心して無かったことにはならないからな」などの意見が多いけれど
私がこの夫婦が元さやに戻れた原因がわかる。
それは、、、
お互いが自分の犯した罪とそこに至った原因をしっかり認識し、認めて反省したこと。
そして、自分に素直になって正直に誠意を持って気持ちを相手に伝えたこと。
この夫婦は、2人とも精神が極めて正常だった。
神経症の部分が一つもない。
2人とも、きちんとした社会性を持ち、正常な大人の思考能力を備えている、要するに年齢相応の「大人」だ。
仕事で追い詰められて、妻に当たってしまっていた時期がある。
夫に冷たくされて、淋しくて初恋の人と関係を持ってしまった。
どちらがやったことも、ものすごく相手を傷つけるし、世間から見ても絶対に罪だし、一生許されないとしても仕方がない。
でも、問題が起きた後の2人の対応は、非常に大人だった。
前の記事で紹介した加藤先生の本に何度も繰り返し書かれていることは
”問題が起きた後にどう向き合うかが、人生を後悔することになる人とならない人との分かれ道”
宏樹は、一度は絶望して子どもと心中しようとさえしたけれど、彼の良かったところは、喫茶店のマスターという利害関係のない相談相手がいたことと、会社の部下などのちょっとした話を自分への教訓として心に入れたこと。
浮気した妻に対し、激昂して取り返しのつかない言動をすることはなく、ほぼ冷静に話をしてきた。そして同時にそうさせたのは、あの時の自分だ、と反省をすることができた。
美羽は、自分のしたことは許されないことだと認識し、浮気したことを夫のモラハラのせいでしょ、と正当化しなかった。もしも彼女が浮気がバレたときに「それはあなたが!」と夫を責めていたら、幸せな結末にはなっていなかったかもしれない。
このドラマの中で、唯一神経症的だったのは、美羽の親友の真琴だけれど、2人は真琴の介入にも負けなかった。
夫婦を引き裂こうとする人が現れても、冷静に対応して、その人の思いに振り回されることはなく、常に自分はどうしたいのか、を胸に問い続けていた。
問題は常に自分にあるとお互いが思い、周りが何をしてきても、何を言ってきても支配されずに「自分は、どうしたいのか」と向き合ってきた。
そして出た自分の結論を、きちんと相手に冷静に正直に誠意と敬意を持って、伝えることができた。
だから、離婚を回避して、問題発生前よりも強い本物の絆を結ぶことができたんだと思う。
一方、ハッピーエンドにできなかった私たち夫婦の場合は
母親という最強の妨害者が現れた。
味方のふりをしながら、一方であからさまに夫婦を引き裂こうとした。
その言動に、夫は1から10まで心をかき乱され、支配されてしまった。
私は実の母親が邪魔をしてきていることに一瞬で気づき、夫にも母にも「今の私の家族は夫と私と子どもの3人だから。私はあなたと育児していきたい」とはっきり伝えていたのに、夫は母にいじめられたショックが大きすぎて、私と一緒に敵に立ち向かう選択ができなかった。
自分が言われたひどい言葉に囚われ続けて、妻の本心を心に入れることができなかった。それどころか、私と母を一緒くたにして、母が言った言葉に対して私を責めた。
彼は、神経症で精神病だった。
精神が全く健康ではなかったし、仕事もしたことのない彼は社会性もなく年相応の大人ではなかった。
だから、この家族の大きな問題に対処する精神を持ち合わせていなかった。
私は最後の最後まで、それでも夫と一緒にいたいと願っていたけれど、彼はギャンブルと爆買いで父親からもらっているお金を全て使い果たし、2人の貯金も勝手に使い果たし、さらに1500万の借金をたったの半年で作って、私にお金を渡さなくなった。
そして赤ちゃんと暮らす部屋でもう死んでやると睡眠薬を大量に飲んで8時間ソファで硬直して見せたり、暴れてソファを蹴破りダイニングテーブルをひっくり返したり、子どもの好きな絵本をビリビリに破いたりした。
そんな恐ろしい行動を彼がしなければ、私は離婚しなかった。
母に邪魔されて、2人とも傷ついたけれど、「お母さんやばいよね、離れよう」と2人で手を取り合って自立すれば良かったのに、まともな精神の持ち主ならそれができたはずなのに、彼にはそれができなかった。
私は、浮気もしてないし托卵もしてない。モラハラもしていないしギャンブルもしていない。私は何も悪いことはしていなかった。
それでも、不幸な結末になった。
離婚届を書く前の時間、私の実家にやってきた夫はこの大事な最後の話し合いの時間に、自分が別居中にどこで何をしていたのか、どんな人と出会ったのか、旅の話をするばかりで3時間経過した。
宏樹のように、「俺は君と一緒に生きていきたい。」と素直に言ってくれはしなかった。
「俺こんなに人脈あるよ、これからすごいことになるかもよ。別れていいの?」みたいな言い方をした。
「俺には君と子供が大事なんだ。いろいろあるけど、一緒に乗り越えていこう」「今までギャンブルとか暴れたりとかしてごめん」とか言ってくれていたら、離婚届を出すことはなかったかもしれない。
何が嫌なのか、何を望んでいるのか、素直に伝えてくれたいたら。
私は伝えたし、行動でもそれを示してきたけれど、自分の傷しか見えていない彼には届かなかった。
ドラマの夫婦は誰が見ても明かな罪を犯したけれど、それでも幸せになれたのは、精神が健常で素直に反省と自分の心に問うことと相手にまっすぐ伝えることができたから。
私たち夫婦が別に悪いことはしていないのに不幸な結末になったのは、精神が異常で素直になれなかったから。
結局、誰の人生にも必ず問題は起きるし、夫婦に試練は来る。
その問題に対してどう向き合うか、どれだけ自分に素直になれるかが、幸せと不幸の分かれ道であり、邪魔してくる第三者に負けずに問題に一緒に立ち向かうことのできた相手こそが、本物の運命のパートナーだということ。
私はもう、夫を美化して自分を責め続けるのをやめようと思う。