子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

里帰り出産の理想と現実~里帰りの理由~

外国で妊娠したから、里帰り出産するのが当たり前だと思っていた。

 

38で初産だし、実家で母の協力を得ながら初めての子育てをスタートするのが

 

最良の選択だと信じて疑っていなかった。

 

初孫の誕生だし、両親も長いこと海外にいる娘が孫を産むために実家に

 

帰ってくるのだから、さぞかし喜んでくれるだろう、と信じて疑わなかった。

 

みんな、出産という命がけの大仕事をする私を最優先に気遣い、労わり、

 

支えてくれると信じていた。

 

 

ところが、私のその期待はみごとに裏切られた。

 

家族それぞれが、結局は自分の気持ちを最優先に行動してしまう

 

ことが分かって、だけどみんな表層意識的には

 

それぞれのやり方で私をサポートしようとしてくれているのも

 

分かって、実家に帰ったことは、却って私の心を押しつぶす結果と

 

なった。

 

 

まず最初の、妊娠5か月で日本で一度妊婦健診を受けるために帰った時

 

母はなぜかずっと不機嫌だった。

 

私も夫も、初孫ができるというのになぜ母がこんなに不機嫌なのか

 

全く理解できず、ただ気分が悪かった。

 

私達を車に乗せている時、ずっとガムをくちゃくちゃ噛みながら

 

仏頂面で無言で、時々発する言葉はわざわざ低い声で

 

意地悪だった。

 

 

夫は、その後何度も、どうしても日本で産まなきゃダメ?

 

こっちで産む選択はないの?

 

と聞いてきた。

 

母の不機嫌もあって、元々日本が、日本人が怖いという思いがあった

 

夫は、半年も日本で過ごすこと、しかも私の地元、親のそばで過ごさなければ

 

いけないことが、嫌だったんだと思う。

 

それでも私は、身内もいない、頼れる人が夫しかいない状況で

 

初めて出産するのが、どうしても不安だった。

 

そしてどこかで、この里帰りが最大の親孝行になると思っていた。

 

 

『親孝行したい』

 

私は、物ごころついた時からずっと この思いを強く胸に抱いて

 

あれこれ試みては失敗していたように思う。

 

 

私が親孝行しようとすればするほど、両親はそれを拒絶する。

 

おまえに親孝行なんてできないんだよ、というメッセージを送り続ける。

 

おまえは親を喜ばせたり、幸せにできる人間じゃない。

 

いつだって一方的に私達の世話になる弱い存在なんだ。

 

そんなメッセージで親孝行したい気持ちを跳ね返される。

 

 

何度も、それを味わっているのに、私はまだ性懲りもなく

 

孫を産む、そしてそばにいることが、人生最大の親孝行になると、

 

今度こそは、親を喜ばせることができると

 

固く固く、信じていた。

 

 

だから夫の躊躇を一喝し、有無を言わさず、妊娠9ヶ月で

 

実家へ戻った。夫と共に。