子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

里帰り出産の理想と現実~実家~

病院から、母の車で実家へ向かった。

退院の日、母は夫を連れて来たけれど、病院の中へは
入って来ず、車の中で待っていたのが、すごく不自然だった。

私は母を拒絶していた。

入院中、必要最低限しか来ないで。赤ちゃん菌にさらしたくないから。
と母をばい菌扱いするようなことも言ったし、
母が抱っこしている姿を見ると、なぜだか嫌悪感が走った。

夫なら、平気なのに。

だから退院の日は、母は私達親子から距離を取っていた。

その顔は、孫がいる喜びと、娘に拒絶されている怒り、悲しみの
混ざった複雑な表情をしていた。

それでも私達は、実家へ行った。

母は、私のリクエスト+αで1階の客間を私と赤ちゃんの部屋に
作り上げてくれていた。
おむつも、おしりふきも、寝床も、加湿器も、すべて完璧だった。

そんなにしてくれている母に感謝の気持ちもあるのに
産後、気が立っている私は、母への嫌悪感をあらわにせずには
いられなかった。

母が娘を抱くたびに

お母さんのそのセーターチクチクしそう。
お母さん今日1日外出してたから菌いっぱいやろ。
そんなおしりペシペシ叩かんといてよ。

私のそんな態度に腹の中は煮えくり返っていただろうけれど
母は、顔にこそ出てはいたが言葉ではっきり抗議するのは
避けていたみたいだった。

私が、それならもう出ていくわ!と言うのを恐れていたから。

かわいい孫と、できるだけ離れたくなかったから。

しかしそんな母の不安は、やはり現実となった。

人は、頭で強く思っていることを現実にしてしまう。

それが夢だろうが、不安だろうが。

不安というのは夢以上に強いから、多くの人は望まない現実を
自分でわざわざ引き寄せる。

爆発したのは、夫だった。

夫によると、母は夫と車で2人の時、ほとんど口を利かないことも
多くなっていた。

娘を沐浴させる時、母は自分が出産した時がそうだったからと
沐浴はばあばの役目だと勝手に思っていて
でもずっと、母が何でも私の仕事を奪って私ができるようになるのを
邪魔してきたのが苦痛だった私は

自分でやる!そうしないと覚えられないから。
お母さん最初だけやり方教えて。とお願いした。

脱衣所で私と母が沐浴の準備をし始め、夫も、
どうやるか知りたい、と中に入ってきた。

すると母は、夫を追い出した。

母にとっては、赤ちゃんの世話は、男子禁制なのだった。

団塊世代九州男児である父は、子育ては母に任せていたのだから
母は、男なんか何もできん。役立たずや。と
強く思っていた。

最近の男子が、出産にも立ち会うのを
私ら旦那なんかにそばにいていらんわ~って友達と話してたんやで、
と言っていた。

そんな感じで、”イクメン”に憧れていて、
赤ちゃんのお世話も覚えたいと思っていた夫と
男なんかいらん。と頑なに思っていた母は、いろいろなシーンで
対立した。

確かに、母は手際がいいし、行動も早く、おおいに助けになった。
しかし私は、不器用でも夫と、子育てがしたかった。

1日中仕事でいない夫なら仕方がないけれど、うちの夫は
家にいる。イクメンになりたがってもいる。

私がこの先20年、一緒にこの子を育てるのは母ではない。
夫なのだから。

母が手や口を出し過ぎるせいで、夫が赤ちゃんに興味を
失ってしまったら、そんな悲しいことはない。

夫は、退院して実家に来てわずか2日で、
もうアパート戻ろう、と言ってきた。