子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

里帰り出産の理想と現実~母の限界~

私達は、日本滞在の最後の1か月を、また実家で過ごすことにした。

しかし、平穏無事に、いくわけもなかった。

私は元々、ただただ、両親と夫が赤ちゃんを囲んでニコニコ笑い、
私をねぎらってくれるというシーンだけを想像して
実家に帰ってきたのだけれど、現実はかけ離れていた。

最後の1か月。

今度は、母の心が限界を迎えた。

ある日、母は私達の昼食にオムライスを作ろうと思って
朝から下ごしらえをしていた。

昼前になって、母は私に
「お昼オムライスでええやろ?」と聞いてきた。

私たちはその日、アパートに荷物を取りに行く予定だったので、
くしくも近くのオムライスがおいしいレストランに最後にもう一度行こうか、と
夫と話していた。

だから母に 「え?今日アパート行くからついでに近所のレストラン
もう一度行くつもりなんやけど。」と言った。

母は、「そうなん?」ちょっとムカついた顔をして
もうフライパンに野菜を入れて炒め始めていたのを、止めた。

お昼どうするか、事前に聞かずに勝手に準備を始めた母も
悪いし、もしかしたら外に食べに行くつもりであることを
話さなかった私も悪いのかもしれない。

結局、私達はそのレストランで食事し、午後3時頃に戻ってきた。

荷物運びで体力を使った夫は、母がオムライスを途中まで準備
していた話を私から聞いていたので

ちょっと小腹すいたから、もしよかったら、今からオムライスちょっと
食べたいな・・・

と言った。

お昼もオムライスを食べたけど、夫的には量が少なかったらしい。

私は1回やめさせといて母に悪いな、と思ったけれど
夫が「お義母さんに言ってほしいな~」と言うので

ためしに母に言ってみた。

(夫)、今からお母さんのオムライス食べたいって。

すると母は、キレた。

「もうないわ。そんなんこんな時間にできません!」

母は、召使のように扱われたようで、腹が立ったようだった。

夫は、人を召使のように扱うところがある。

自分のおなかの都合に料理する時間を合わせろ、と思っているところが
あって、私もそのことで何度も喧嘩した。

そして夫は、「あ、じゃあ大丈夫です。」と言って
ナッツかなんか食べるわ、と言って2階へ上がっていった。

それから母は、私の目の前で洗濯物を取り込んでたたみ始めたのだが
あきらかに怒っていた。
洗濯ものをバン!バン!と音を立てながら乱暴にたたみ
仏頂面で目の前を行ったり来たりした。

それから台所で夕飯の支度を始めた母は、なんと泣き始めた。

鼻をすすりながら支度をしている母に、私はさすがに

「なんで泣いてるん?」と聞いた。

母は、「あんたら二人ともお母さんのことバカにして!
お母さんがちゃんとごはん食べさせてへんみたいに言うて!
なんたらかんたら・・・・」

と言い始めた。

母は、
”子供に食事をきちんと与えない母親”と思われることを過度に
恐れている。

だから午後6時まで仕事をしていた時も、旅行から帰った日も
食事を作らない日は、ほとんどなかった。

私達が大人になってからも、テイクアウトや外食で済ませるのが
まるで罪かのように、手料理を作ることに必死だった。

それは母の、何か強迫観念のようなものにみえる。

私達は、母が料理を作らないとか、手抜きだとかいって責めたことは
一度もないし、むしろ作りすぎだとか、今日は店屋物でいいよ。とか
料理を休むように、勧めていた。

本当に、毎日毎日母が決めたメニューを食べさせられていたので
高校生の頃だって、たまに敢えて弁当を休んでもらって
自分で選んだパンを買って食べるのが、とてもうれしかったくらいだ。

若いころに、もしかしたら義母とかに何か言われたのかもしれない。

私達子供はそのことで責めたことなど一度もないのに
母は、すぐに”責められている”と感じてしまうみたいだった。

そして母は堰を切ったように涙声で自分の不満を訴え始めた。

私も、私の不満を訴えた。

母と私は、完全に対等だった。

「お母さんなんで私と対等なん?お母さんはお母さんやろ?
お母さんの方が大人のはずやのになんで子供が、傷ついてるって
訴えてるのに、お母さんの方が傷ついてるって同じように
言ってくるん?」

なぜ、母は、人とケンカになった時、
絶対に自分を省みないのだろう?

なぜいつも自分が被害者なのだろう?

私は、母の、こどもなのに。

子供が、わざわざ母親を傷つけたくて、責めるだろうか?

子供の親に対する怒りは、深い悲しみから来ている。

お母さん、どうしてわかってくれないの?

どうして、聞いてくれないの?


母の愛情表現がゆがんでいることを、間違っていることを、
子供が全身全霊で教えているのに

お母さんは一生懸命よかれと思ってやっているのに
子供が正しく受け取ってくれない!と
子供を責める。

子が親を責める時、責められている親以上に
子は傷ついている。

お母さん、あんたのために一生懸命やってあげてるのに
あんたは感謝するどころか偉そうに文句ばっかり・・・!

母に、この本を読んでもらいたい。
まあ、読まないだろうけど。




親の、「あなたのために」は、きれいな虐待だ。

私は、母が仏頂面で作ったご飯なんか、食べたくない。

母に、自分の時間がない!とイライラしてまで身の回りの世話を
してほしくなんかない。

食事はたまに手抜きになってもいい。
外食だってしたい。
洗濯ものは、自分でたためる。

そんなことよりも、お母さんに笑顔でいてほしい。

穏やかに、ゆっくり座って、話を聞いてほしい。

自分で身の回りのことができない幼いうちは、母の姿勢は
正しいだろう。

しかし母の間違いは、それを子供が成長するに合わせて
変えていかなかったことだ。

10代、20代、そしてアラフォーになって結婚出産までした子を前にしても。

母は、2歳の私と、今の私を、同じように思っているのだった。

母は、子供がしてほしくないことを、”よかれ”と思って
やり続け、感謝を求める。

私は、してほしくないことをされているので、不満がたまる。

10代の頃から何度も、このメッセージを必死で伝えて来たのに
カチカチの母の頭には、入っていかないみたいだった。

こういうことを、私は母に、再度訴えた。