子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

夫が子供ができてから暴れる理由

(この記事は過去に書いたものを転載しています)

2017年9月26日

 

先日、高校からの友達と久しぶりにゆっくり

おしゃべりする時間を持てた。

 

友達は今娘さんが5歳。

旦那さんは外国人で、ずっと外国で暮らしていた。

 

私がちょっと今の状況を話したら、

うちも子供が3歳になるまでは何回も離婚しようって思ったよ、と

話してくれた。

 

その子の旦那さんは、子供に全然興味を持ってくれなかったらしい。

 

最近ようやく会話ができるようになってきたから、

少しはみてくれるようになったそうだけど、

本当に最近までは子供に無関心というか、

3歳くらいの時には子供に向かって「

お前なんか大嫌いだ、出て行け!」と言ったこともあるそうだ。

 

その友達は、結婚前から起業していて自分のビジネスを

持っていたから出産前日まで働き、

出産後2週間でもう仕事していたそう。

 

でも彼女が住んでいる国では3歳以下の子供を

長時間預かってくれる場所はないらしく、

高額の保育料を払っても一日3時間しか預かってくれないらしい。

 

だから彼女は子供が昼寝している間に仕事を必死でやる、

というような暮らしをしてたから、

旦那さんに構う余裕なんか1分もなかった。

 

やっぱり、その旦那さんもいじけたそうだ。

 

余裕のない妻をみて夫もイライラし、

自分の優先順位を下げられたことにただ腹を立て、

妻がなぜそんなにも余裕がないのか、赤ちゃんの世話の何が

そんなに大変か思いやろうとすることはなく、

自分が傷ついていることだけにフォーカスしていた。

 

だから子供の方はみないし、

子連れのファミリー同士の付き合いにも顔を出さなかったらしい。

 

一度だけ壁を殴って穴を開けたことがあるそうだ。

 

その友達夫婦と私たち夫婦の共通点は、子供ができるまでは

すごく仲が良かったということ。

 

仕事もプライベートも一緒で、共に過ごす時間が長く、

よく旅行に行き、デートもしてよく喋る、2人で一つみたいな夫婦。

 

それが子供が生まれた直後から急に夫婦の時間がなくなる。

 

母親は子供が体内で育っていくからか、自然と子供優先の

親シフトに切り替えられるけど、夫は急に切り替えられない。

 

夫だって、子供の誕生を心から楽しみにしていたはず。

 

ここまで生活が変わるなんて想像できていなかったから。

 

今まで通りの夫婦の関係、生活の中に、ポコン、と

小さな存在が加わる。

 

それだけだと思っていたのだから。

 

だけど実際は、人間の赤ちゃんは勝手にミルクを飲まないし

勝手に寝ない。

 

生きるための全ての活動に親の介助が必要なのだから

母親は突然24時間休みなしになる。

 

なんだか置いてけぼりな夫は

これまで通り

「一緒に映画観よう〜」

「一緒に寝よう〜」

「おしゃべりしよう〜」

 

とくるわけだが、そんなことできるわけがない。

 

夫婦で並んで映画観る余裕!

赤ちゃんを放っておいて夫と同じベッドでゆっくり

おしゃべりしてから寝る余裕!

のんびり2時間も3時間も夫の長い話を聞く余裕!

 

乳幼児育児中の母親ならみんなこの言葉だけで

深く頷いてくれると思う。

 

夫の誘いを断る自分にほんの少しだけ罪悪感も感じつつ

平気でそんなことを言ってくる夫に苛立ちがっかりし、

どう説明しても、泣いて訴えてもなぜかわかってくれない

夫に頭が真っ白になる日々・・・

 

それも今だけだから。

子供が幼稚園行くくらいになったら一気に楽になる。

自分の時間も夫婦の時間も持てるようになる。

 

育児の先輩たちにはそう言われても

渦中の人間にはそう簡単には光が見えない。

 

友達の旦那さんには、

仕事以外にトライアスロンという趣味があった。

 

妻に構ってもらえなくなった夫は、1人黙々とトレーニングを

していたそうだ。

 

なに呑気に筋トレなんかしとんねん!と友達は思ったりもした

そうだけど、後になってみれば、そうやって夫が1人で発散する

場所があったから、致命的なことにはならずに済んだのかも、

ということだった。

 

そうだと思う。

 

私の夫には、1人で発散する場所がなかった。

 

急に妻に構ってもらえなくなっても、仕事場もなければ

1人でする趣味もなかった。

 

夫の趣味はサッカー観戦と旅行だと思うが

サッカーも私と一緒に観たい、もちろん旅行は一緒に行きたい。

 

でも私にはそんな余裕はない。断られる。

でも1人ではしたくない。

 

そんなやり場のない苛立ちや不満が、家具を壊したり

ペットボトルを投げるという暴力的行為になったのかもしれない。

 

でもこれは致命的に大きな違いだ。

 

夫が育児する妻の横で黙々と筋トレをしていても

逃げなきゃ、離婚しなきゃ、とは思わないけど

 

ものを投げて壊して怒鳴って暴れ出したら

逃げなきゃいけなくなる。

 

黒髪の角刈りだった夫は髪を伸ばして茶色や青に染め、

ポロシャツにユニクロジーンズ、カーディガン、というような

真面目な服装だった夫が、ダボダボのチンピラみたいな服を

着るようになった。

 

山男ですか?と言われるようながっしり体型だったのが

ヨガやってる人ですか?と言われるようなガリガリになった。

 

夫婦2人でモンキーパークに行った時は

気性の荒いお猿さんに棒を投げつけられて

「この猿やばいって。危ないよ」と本気でビビっていた人が

 

子供ができてから同じ場所に行った時は

何もしていない猿に「おっしゃかかってこいよ、オラ〜!」と

怒鳴って手を広げて係員に威嚇しないでくださいと

怒られていた。

 

あれ?

 

これって子供が思春期にグレるのと同じじゃん・・・・

 

急に髪を染める、だらしない服を着る、やたらと威嚇するようになる。

 

そうか、夫は36にしてグレたのか。

 

親に甘えさせてもらえない10代の少年が荒れるのと同じだ。

 

夫は実際10代後半から20代前半もそんな感じだったみたいだから

二度めか三度めの非行?

 

でもさー

 

相手間違ってるよね。

 

子供がグレたら親に責任あるよ。

 

優等生だった子供が髪を染めようがものを投げて暴れようが

じっと耐えて受け止めて、何を伝えようとしているのか、

何を望んでいるのか、真剣に向き合って考えなきゃいけない。

 

仕事ばかりで子供を放置しすぎたのかもしれない。

兄弟で贔屓していたのかもしれない。

夫婦喧嘩が多すぎたのかもしれない。

世間体を優先しすぎていたのかもしれない。

 

絶対に親に原因があるんだから。

 

でもねえ、、、

 

夫婦は違うよ。

 

夫がグレたら妻に責任があるって、ならないよ。

 

しかも、妻が不倫したとか子供置いてパチンコ三昧だとか

明らかに人の道に外れたことをしているのが原因なら

まだしも、

 

私はただ、子供を産んで初めての育児を必死にやっていただけ。

この人には大黒柱として稼げというのは負担なのかなと思って

まだ子供0歳だけど私も何かして稼がなきゃと思って昼寝の時間に

パソコンに向かっていただけ。

 

外国で出産するのが不安だったから里帰り出産しただけ。

 

夫を無視してずっと実家にいたわけでもなく、

里帰り中も夫も一緒にいたし、生後4ヶ月めに

夫が行きたいって行った場所に飛行機に乗って引っ越したよ。

 

荷物40万かけて送ったよ。

 

慣れない土地でも楽しもうと思って娘連れて買い物行ったり

友達作ろうとしたり、やってたよ。

 

夫と仕事の話もいっぱいしてたよ。

 

それなのに、夫は私が夜に一緒にテレビをみてくれないことや、

仕事しろって言われることや、寝室を別にされたことなんかに

不満を持って、こんなにまで荒れてしまった。

 

気持ちは、想像はできる。

寂しさや虚しさ、想像はできる。

 

でも、物理的に、どうしようもない。

 

同じ24時間で、赤ちゃんと夫とどちらかの世話しかできないなら

そりゃあ赤ちゃんの方に行くから。

 

だってこの子は今私がいないと、本当に一日も、

生きることができない。

目を離したら、どこか高いところから

落ちてしまうかもしれない。

 

小さい子供にとって母親の姿が見えないのは

世界にたった1人になったような恐怖なんだって。

 

地球に1人だけ残された人間の映画があったような気がするけど

その恐怖、不安ってものすごいよ。

 

それなのに夫は、起きている子供の前でドアを閉めて

私に相手を求めた。

 

ドアのすぐ前でパパママが視界から消えて

悲痛な声で泣き叫ぶ我が子の声を聞きながら

夫の相手をするのは、心が引き裂かれた。

 

断ったら夫が拗ねるのはわかるけど

せめて子供が寝ている時に、って。

 

夫がそれを理解して協力してくれないなら

私が子供といることに嫉妬してしまうなら

夫と離れるより他に仕方ないよ。

 

あなたは私がいなくてもご飯を食べられるし

誤って階段から落ちたりドアに指を挟んだりしないでしょう。

 

雑誌「VERY」に連載しているタレントの

小島慶子さんが書いていた。

 

小島さんの旦那さんも、子供が小さい時に

「君は近頃全然僕を構ってくれない」と拗ねてみせたそうだけど

 

小島さんは夜子供が寝た後に夫を正座させ、

「バカを言うんじゃない!あなたも親になりなさい!」と

自分がどれだけ必死に育児をやっているか、そして夫に望むことを

真剣に伝え、叱り飛ばしたんだそうだ。

 

小島さんの旦那さんはそれ以降いいパパになってくれたそうだから

よかったけど。

 

うちの夫の場合はインナーチャイルドのいじけっぷりが

中途半端なものではないから、

ここまでめちゃくちゃになった。

 

統合失調症だとかアスペルガーだとか

そう診断されるような精神をもともと持っていた上に

産後の生活の変化が加わると、こうも恐ろしいことになるのか。

 

夫は私や私の親のことを

「人のことを病気だ発達障害だと決めつける大バカ者」と

罵ったけれど

 

診断したのは私でもうちの親でもありません。

 

誰がその診断をしたのか、睡眠薬いっぱい飲んでるから

忘れちゃったのかな。

 

親でもグレた子を放り出したり縁を切るような人もいるけど

夫婦の場合はね、

 

配偶者がどんなになってもそばにいなければならない、という

ことはないんです。

 

親は未成年の子の生活を保証する責任がある。

成人した子でも親はそういう人間に育てたという責任がある。

 

でも夫婦には、一方的に生活を保証しなければ

ならないという法律はない。

相互扶助の義務は求められている。

相互に、だよ。

 

暴力やギャンブルは配偶者の最低限の生活を脅かすものだから

片方がそれに耐えて補填する義務なんて微塵もない。

 

そういう人間にしたという責任もない。

大人になってから出会ったんだし。

 

だから大人同士として

この家庭でやっていきたいという気持ちがあるなら

自分を律して自分を大人にするのは自分の責任。

 

時間はかかるかもしれないけど、

自分で乗り越えて行くしかないことだと思う。