子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

向精神薬を断薬した後の離脱症状について

(この記事は過去に書いたものを転載しています)

 

2017年2月19日

 

最近の混乱で、夫側の家族を頼ったのだけれど

夫の言動と断薬していることを聞けばみんな

薬飲めば落ち着く、薬は絶対飲まなきゃいけない、と言うし、

医者は当然、服薬しか抑える方法はありません、と言う。

 

私としても、夫の攻撃的な言動、フラフラな感じがなくなるので

あれば、薬を再開してほしいと思った。

 

前回精神科へ行って数日後、

義母が来て、薬をまだ飲んでいないことを知ると

すごく怒って、「今すぐ飲みなさい!」

と夫と言い合いになった。

 

私に薬を持って来させて

「今飲みなさい!」と渡した。        

夫は「はいはい~」と言って受け取り、口に入れるふりをして

手で握っていた。

 

義母は

「自分で飲まないならコーヒーや味噌汁に混ぜてこっそり

飲ませればいいのよ」と私に言った。

 

夫はそれを聞いて

「おかん、温かいお茶飲みたいでしょ。俺入れてあげるわ」

と言ってお茶を入れ、薬を手で粉々に砕いてお茶の中に入れ、

「はい、どうぞ」と母親に渡した。

 

義母は薬を入れられていることに気づかずに

飲もうとしたので私は慌てて

「おかあさん、飲んじゃダメ!薬入ってる!」と言った。

 

夫は

「おかんバカだから昔俺の薬試しに飲んでぶっ倒れたの覚えてる?

飲んでぶっ倒れるような薬息子に飲ませようとしてんだよ?」

と言った。

 

その時、義母は姪っ子を連れて来ていた。

彼女は義母の一番上の姉の娘で、同じ統合失調症ということだった。

 

発症時は夫よりずっとひどかったそうだ。

誰にもつながっていない電話を持って1日中独り言を言っていたそうだ。

警察を3回呼んだことがあると言っていた。

 

今は服薬で落ち着き、カフェを開くべく勉強中で

会社勤めもしていると言う。

 

その人はおとなしく、私たちが激しい言い争いをしている間、

何も言わずにじーっと座っていた。

 

しゃべるとちょっと舌足らずでモゴモゴしている感じがあった。

そしてすごく太っていた。

薬の副作用かもしれない。

 

夫の従妹になる彼女は、夫と会ったのはすごく久しぶりだったようだけど

私の知っている(リリ夫)とは違う。

昔は物静かで本ばかり読んでいるような人だった、と言った。

 

目を見開きながら大声でしゃべり続け、人を小ばかにしたようなことを

言う今の彼は、本当の彼じゃない。

 

母親さえもそう言った。

 

私に、

「この子をみてよ。前は息子よりずっとひどかったけど

薬を飲んでいるから今はこんなに落ち着いて、会社勤めまで

できているのよ!」

 

だから息子も薬さえ飲めば、また元の息子に戻る・・・・

 

義母はそう固く信じている。

 

その日、別れ際にも義母に

「飲み物や食事にこっそり混ぜて飲ませればいいのよ、

簡単よ、直接飲め飲め言ってまた喧嘩しないでね。」

そう言われて、さてどうしようかな、と思った。

 

飲み物などに混ぜて飲ませる・・・・

 

これは今の夫には通用しないと思った。

 

発症したばかりの頃なら夫自身も何が起きているのか

分かっていないし、薬の作用も未体験だから

ばれずにこっそり飲ませることもできただろうし、

万一ばれても、現実それで症状が緩和しているならば

家族に怒りを向けたりはしなかったかもしれない。

 

しかし今の彼は

自分が薬を飲めばどうなるか知っている。

強い意志を持って、断薬した。

 

こっそり混ぜてもばれるだろうし、

私も、しばらく間をあけて向精神薬を再開したら

どうなるか、不安でもあった。

 

だからその夜、向精神薬の断薬について調べていた。

 

いろんな人の断薬体験談が書いてあるフリーライターさんの

ブログをみつけた。

 

精神医療の真実 フリーライターかこのブログ

 

断薬した時には、離脱症状というものがある。

 

それは精神の錯乱、鬱症状、自傷他害衝動など

まるで病気が再発したようにみえるので

家族も医者も、再発だと思い込み、また薬を飲むように言う。

 

でも、それでは一生、薬から離れることはできない。

 

かこさんのブログでは、

多剤処方で薬漬けになり、身体ともにボロボロになってしまった人、

向精神薬の害で亡くなった人、断薬後の症状、断薬に成功した人の様子など

たくさんのケースが書いてあった。

 

私は、離脱症状というものに対して全く知識、理解がなかった。

 

夫が薬をやめたのが出産と同時だったために

私は初めての赤ちゃんのことでいっぱいいっぱいで

向精神薬のことについて調べたり、夫の変化を

温かく見守るなど、到底できなかった。

 

この1年の夫の変化はすさまじかった。

複数の人格が現れたような気がした。

何度も、「あなた、誰?」と思った。

娘に「お父ちゃん、どこ行っちゃったんだろうね?」と

夫が目の前にいるのに、言ったりしていた。

 

体重は20㎏増えて、25㎏減り、今は5㎏戻ってようやく

いい感じになったけれど、少し前までの夫は

石の上に3年座って何も食べていない修行僧のような体だった。

 

実際、断薬してから食欲がなくなり、1日何も食べない日もよくあった。

 

躁状態になってウロウロしながらおしゃべりが止まらないかと思えば

死んじゃおうかな・・・とうつむく。

 

あいつなら5秒で殺せる、と目を見開きながら言う夫は

完全に気違いの顔で、純粋な娘の笑顔とそんな夫の顔を

交互に見ている私は、ただただ心が引き裂かれるばかり。

 

一時別居になった去年の秋ごろは

夫は瀕死の状態だったようだ。

 

もう死ぬってところだったんだよ!

 

そう言われても私には彼に何が起きているのか分からず

混乱するばかりだった。

 

かこさんのブログを読んで

向精神薬を断薬した時の離脱症状のすさまじさを知り

私は初めて、夫のこの1年の苦しみに思いを寄せることができた。

 

離脱症状はたいてい1年~1年半くらいで抜ける、とあった。

 

夫の場合はリスパダール1.5㎎だけの単剤だったし

マシな方のはず。

 

あとちょっとだ。

 

昼間にも向精神薬代わりに睡眠薬を飲んでいるので

それもやめないと完全克服にはならないけれど

10年服用していたリスパダールをやめられたことは彼にとって

ものすごく大きなことだったようだ。

 

能力者、ヒーラーの方たちは

当然服薬を支持していないし、長典男氏は、

向精神薬をやめられたことはご自身の大変な努力です、

と褒めてくださったそうだ。

 

そして薬害はもう3,40%抜けたと数か月前に言われているので

ほんとに、もう少しで、抜けるんだろう。

 

もう、一番苦しい時期は、すぎた。

 

もしここで服薬を再開したら

彼のこの1年の努力が水の泡になり

また彼の腦にどんな作用が出るか、分からない。

 

私はただただ今目の前の攻撃的な言動を止めてほしいばかりに

薬を飲んで!と言ったことを、反省した。

 

もっと、長期的な目でみてあげないといけない。

 

夫に、

離脱症状について理解なくてごめん。

薬飲めって言ってごめんね。」とメッセージを送った。

 

その夜、夫は久しぶりにぐっすり眠ったようだった。

 

そして、力が抜けたように次の日も、ぐったりしていた。

でも顔は、穏やかだった。

 

なんかやっぱ気はって無理してたと思う。

リリちゃんが戻ってきて、やっと疲れが出た。

 

そんなことを言っていた。

 

夫は、本当に孤独に薬の離脱症状と闘っていた。

 

もう死ぬかも?と思うほど苦しいのに

家族にさえも理解されず、逆に責められて

辛かっただろうな。

 

私は、自分のしんどさばかりに目がいっていたけれど

タロットでも出たのは

ご主人は、あなたよりずっと傷ついて、苦しんでいます。

ということだった。

 

向精神薬睡眠薬も飲んだことのない私には

想像もできない、脳神経が破壊される苦しみ。

 

一番しんどい時期はもう過ぎて

あと少し、夫に寄り添って希望をもって

見守ろうと思った。