子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

生きているだけで存在価値があることを認める

(この記事は過去に書いたものを転載しています)

 

2016年6月22日

 

私の母はことわざを日常的に使う人なので、
私もいつしかそうなった。


「這えば立て立てば歩めの親心」

子供が這うようになれば早く立て、と思い
立つようになれば早く歩け、と願う。
親はいつも子供の成長を願っているものだ、
という意味。

このことわざ、親から子への思いにとどまらず、
例えば夫に対する妻の願いにも
あてはまるのではないだろうか。

私は最近、夫が統合失調症であるということを、
忘れていた。

夫本人も、今更に「俺は病気じゃない。」と言うし
私の最近の夫への要求は、健常者の夫に対するものだった。

しかし昨日、夫がまた
「消えたい、という思いが離れない。
自殺願望も出て来た。。。」と訴えてきて、

 

ただでさえイラついて余裕のなかった昨日の私は
もう本当に絶望的な気持ちになり、ネットで
「旦那 統合失調症」と検索したら

同じく夫が統合失調症である人のブログに、
こう書いてあった。

統合失調症の方は、障害を持っています。

障害を持っている方たちは、生きているだけで、
健常者と同じレベルの重荷を背負っていることを

わかってください。

生きているだけで存在価値があるんだということを

認めてください。」

生きているだけで、重荷を背負っている・・・・
生きているだけで、存在価値がある・・・・

私はつい先日、夫に、

家庭をスムーズに運営するためには
みんなに役割があるんだよ。

 

何もしないでソファで日がな一日寝ていて
家庭回るんかな?じゃあ私も同じように寝ていようか。
どうなるかな?

そんなきつい言葉を吐いたばかりだった。

生きているだけで存在価値があるなんて大間違いだよ!
みんなやることやってるんだよ!

とまで、思っていた。

私は子育てと家事をほとんど一人でこなし、

更に収入を得る方法も
自分で考えなければと焦り、

 

仕事家事育児を私が一人でやっているんなら
あなた何なの?夫と一緒に暮らしている意味は何なのか。
愛?愛なんてものは、生存欲求の前にはかなく消え去る。。。。

そこまで思ってそんな不満を夫に対し、

隠しもせずにぶつけていた。

そうしたら夫は、消えたい・・・・と言い出し
ますます元気がなくなって本当に1日中寝ている昔の彼に

戻ってしまった。

思い返せば結婚したばかりの4年半前、
栄養ドリンクとコーヒーを大量に飲んでは部屋で嘔吐し、
外出すればタバコを吸う場所のことしか考えていない
目も虚ろだったり鋭すぎたりで職質もされる、

 

1日ソファで寝ているか
テレビを見ているか、本を読んでも頭に入って来ないと言い、
人混みに行くことは困難で、外食していても周囲の人の話し声に

意識を集中して
私と会話はできないような状態だった。

自分でお金を稼ぐなど想像もできず、

親にカードが使えないんだけど!と
キレながら電話しているような、そんな人だった。

私が何か気にいらないことを言えば、モノに当たり、暴れる。
或はもう消えるよ・・・と自殺をほのめかす。

その時のことを思えば
昼間はだらだらテレビを見ていたのが、

ビジネスの動画を見ている時間が増えた。


夜テレビをつけっぱなしで寝ていたのが、

今は何も音なしで眠れるようになった。


人の多いイベントに出掛けることもできる

(たいてい途中で不機嫌になるが)
外食中も私と会話ができる。

寝ている私に普通に話しかけて起こしても

何が悪いか分からない顔を
していたのが、今はドアをそっと

閉めることができるようになった。

彼はこの4年で、すごく変わった。
よくなった。前向きになった。

それなのに私は、よくなった点に注目せず
今健常な人と比べて”できない”ことにばかり注目して
彼を追い詰めていた。

一つできるようになったら、

それを褒めたり感謝したりはせずに
次のことを、もっと、もっと、早く!・・・・


健全な精神を持っている旦那さんだったら、
違ったんだろうか?

意欲的に仕事をバリバリして、

家事も育児もきっちり分担してくれる
そんな旦那さんもこの世の中には存在していると思うが

私の夫がそうではないこと、
そもそも統合失調症であることも、働いていないことも
分かっていて結婚し、子供を産んだのに


いまだに”健常な夫”いやそれ以上に”イケダン”になることを
彼に要求していた。

彼は今、自分が統合失調症という”病気”だと言われることを
拒絶するけれど、薬を飲まなくても普通に仕事して
人と会話できて眠れる人ではないのだから
”健康”ではない。

私がこれ以上間違った接し方をしない為に、せめて
精神が健康ではない、という認識を私がすることは
許してほしいと願う。