子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

離れる選択

(この記事は過去に書いたものを転載しています)

 

2016年8月30日

 

内海先生の睡眠薬の本では、
睡眠薬、特にベンゾ系(ロヒプノールサイレース)は
ヘロイン、コカインと同レベルの依存性があるから
仕事しながら、家族で日常生活を送りながら、
薬だけ抜く、なんてことができるほど甘くない。
とあった。

寝る前に規定量の2mgだけ飲んでいるのならまだしも、
夫はもう半年以上日中にも向精神薬代わりに服用し、

5mg、多い時は7mgも、摂取してしまっているので
このまま今の暮らしを続けながら断薬するのは無理だと私は
判断した。

そして、睡眠薬を過量服用したまま家族

3人の暮らしを続けるのも
これ以上は無理だ、と判断した。

夫は薬のせいか、食欲もなく5ヶ月で17kgも痩せてしまった。


調べていないけど、恐らく内臓もやられているし
脳神経は確実に大きなダメージを受けている。
1日コーヒーばかり飲んで何も食べないなんて不健康だ。

老人のように痩せた体でヨタヨタ歩く35歳の夫を
私はこれ以上何もない振りで笑って見ていられない。

こんなことなら向精神薬をやめない方が良かった。

そう言ってみたが夫自身は、それでも向精神薬
飲んでいた時の方が辛かったと言う。

ヨタヨタ歩く彼を見ていたら、その変化が出産と同時なので
やはり父になり、お金を稼がなければならないというのが
彼には耐え難い重圧だったのだと思わざるを得ない。

私が赤ちゃんに付きっ切りになり、夫の話を聞く時間や気持ちの
余裕さえなくなることは、夫は想像していなかったのだろう。

夫に構う余裕が減ってしまったことが、彼をこんなにも弱らせた
原因かもしれない。

子供が生まれる、という人生の大きな変化と同時に、

長年の向精神薬の服用をやめる、という暴挙に出た彼の判断は、

やはりタイミングを
間違った、と私は思うけれど、

正常な判断がもはやできない頭で

彼が勝手に決めてしまったことだ。


今更言っても仕方ない。

夫がおかしくなっても、

私も娘も日常を生きなければならない。

屈託のない笑顔を見せる娘を見ても
今やるべき仕事があっても
晴れた空にきれいな景色が目の前にあっても、
夫は心からその日常を楽しまない。

彼は自分の暗い頭の世界から、出てこない。

私は夫の調子がいい日は希望を持ち
調子が悪い日は絶望的な気持ちになるという
高EEで、振り回されっぱなし。

仕事も、赤ちゃんの世話もしなくてはならなくなった今、
夫の辛い話を1日中聞いてあげる余裕などない。

夫が眠れなくて一晩中私に話を聞いてもらいたくても
娘は寝なくてはいけないから、私は寝かしつけを
しなくてはならない。

夫が食べなくても、娘には離乳食を作らなければならない。

夫がお風呂に入らなくても、

私は娘をお風呂に入れなければならない。

出産前のような、時間と気持ちの余裕は、全くない。

そして新しい場所に引っ越しさえすればすべてが
変わる、という持論を堅持している夫の言葉を信じ、
引っ越してきたけれど、彼が新しい環境で元気でいるのは
だいたい2か月が限度で、それを過ぎたら落ち込む日が
増えて、また新天地を夢見る・・・・

その繰り返しですでに5年で5回引っ越した。

今もまた今いる場所ではないどこか”夢の国”に
思いをはせているようだけれど、私は赤ちゃんを連れて
彼が元気になる保証もないのにまたお金と
労力をかけて引っ越すのはごめんだ。

もう十分付き合ったし、がんばったよ。

もしかしたら再発・・・・してるのかもしれない。

夫は、生きるための3大欲求がもう崩壊している。

食べない。
睡眠薬なしに眠れない。薬を飲んで寝すぎる。

お風呂に入らない日も増えてきた。

こうなってくると危ないと聞いたことがある。

身よりも友人さえもいないこの地で、0歳児を抱えて
唯一頼れるはずの夫がこうなってしまった今、
私はこれ以上何もかもを一人で抱えて無理するのを
やめることにした。

しばらく離れて暮らしたい。

夫にそう言った。

夫には、精神療法、断薬セラピーなどに専念してもらい
私はいったん実家に帰って母に子供をみてもらいながら
収入源を確保するための作業に専念する時間を確保したい。

今、それをしなければならない。

家族3人でこれから長く幸せに暮らすために
今少しの間離れることが必要だと私は思い、
夫もおおむね賛成した。

断薬するにあたってはやはり専門家の指導が必要だし
途中で禁断症状やらで様子がおかしくなる、というか
すでにおかしくなっているが、それでは妻子が危険に
さらされる。

私まで崩壊したら、娘はどうするのか。

その最悪を避けるため、
娘の安全を守るため、
今は離れるのがいいと思った。

どこでどんな指導者の元に精神療法に専念できるかは
まだ決まっていないけれど
私はもう1日でも早く、正常な日常を送りたい。

夫には、こうなったことを私を責めることなく
娘を責めることなく、私達とこれからも家族でいるために
夫として、父親として、男として
まずは自分を健康にするんだと、その本気をみせてほしい。

健康になって、元気になって
自分で自分の体調管理ができる人間になって
力のある姿で、私達の前に現れてほしい。

夫に、決めてもらう。

健康になると決めて、一時的に私達と離れ
治療に専念するか

このまま薬依存のまま、フラフラのままで、
しんどいのは自分だけだと、
そばにいる私の苦しみを思いやる
ことなく、甘え続けるのか。

最悪、別れることにするのか。



夢かな?

彼が力のある姿で私達の前に戻ってくるなんて。

そんな日は、来ないのかな?

いいや

きっと来る。

大丈夫。

今までだってなんだかんだでやってきた。

お父ちゃん、元気になるよ。

信じて待ってようね。