子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

自分の存在価値のためなら家族の病気さえも願うのが毒母

土曜日。

 

午後娘がじいじばあばに電話したい!と

言ったのでスカイプ

 

私はちょうど届いた娘の自転車を

組み立てるという用事があったので

別部屋で作業。

 

娘と話す母の甲高い

全部嘘の声が耳に響いてくる。

 

お芝居をしているかのような、

嘘くさい話し方

 

私に本音をぽろっという時の

5オクターブくらい高い声

 

褒めている風で

馬鹿にしている言葉

 

どうしてこの人は

孫と喋る時

こんなに嘘くさいんだろう。

 

この子からパパと

もう一人のおばあちゃんを

奪った罪悪感が潜在意識に

あるのか

 

絶対気付いてないけど

 

それはよく考えすぎで

この人はきっと中身が

空っぽなんだろうな

 

自分がない。

 

そんなことを思いながら

黙々と自転車を組み立てていた。

 

父が、眼帯をしていた。

 

今日緑内障白内障の手術を

したと言った。

 

来週はおば(母の姉)も

白内障の手術をするそうで

 

「ばあばは送り迎えに

忙しいわ」と母は

嬉しそうに言った。

 

この人は、家族が病気になったり

怪我をしたりして世話が必要な

状態になると嬉しさを隠せない。

 

誰かの世話をすることが

この人の生きるエネルギーで

存在価値そのものだから。

 

おばあちゃん、つまり母の母は

看護師だった。

島の小さな診療所で婦長を

していたそうだ。

 

世話好きの遺伝子を姉妹の

誰より強く受け継いだ母は

自分も看護師になりたかった

と言っていた。

 

もしなったら、きっと婦長

になっていただろうって。

 

母がなぜその夢を諦めたのか

よく分からないけど

母は結局高校を卒業して

商社で7年勤め、

 

25歳で父と結婚して

専業主婦になった。

 

看護師になって病人怪我人の

世話をすることを夢見ていた母は

世間体を気にして専業主婦になり

家族の世話をすることを

生きがいにするようになった。

 

だから家族が健康で世話が必要ない

状態だと嬉しくない。

看護師としての出番がないから。

 

誰かが病気になったり怪我をすると

つい喜んでしまう。

 

「もう〜みんなお母さんがいないと

やっていけないんだから」

 

私は子どもの頃

よく熱を出したり喘息になったりしたらしい。

 

母が、望んでいたからだろう。

 

親子は潜在意識でつながっていて

子は無意識に母の本当の望みを

叶えようとしてしまうのだから。

 

そして母は、ほとんど病気を

したことがない。

怪我をしても、病院には行かない。

 

自分の体調の悪さは

ひた隠しにする。

 

母は、いつでも自分が世話する側であって

逆は許せないのだ。

 

自分が病気にならないために

家族を病気にしている魔女の

ように、本当に不思議と

70まで1日の入院さえしたことがない。

 

高校生の頃はあったらしいが、

家庭を持ってから

少なくとも私が生まれてからは

母が寝込んでいる姿を見たことがない。

 

母は絶対に父より長生きすると

思っている。しなければと思っている。

 

だから父には揚げ物たっぷりの夕食を

出しても、自分は野菜サラダと納豆

だけ食べる。

 

父も自分の方が先に逝きたいと

願っている。

母がいなければ自分は何もできないと

思い込まされて45年も生きてきたのだから。

 

夫婦はそれでいいだろう。

互いの望みが合致しているなら。

 

だけど子どもにそれを押し付けては

いけない。

 

子どもは誰も母親がいなければ

何もできない人間になりたいなどと

思っていないし

大人になれば母親に世話されるなんて

まっぴらごめんだ。

 

母の年なら

普通はもう子どもに世話されてもいい。

 

そうやって立場が自然に逆になることで

恩返しができて

健全な親子で一生を終えられる。

 

一人前に育ててくれてありがとう。

これからは私が面倒みるから

安心してね、と。

 

一人前の人間になることを

親自身が望んでいないのに

子どもは何を感謝したらいいんだろう。

 

母は、自転車の組み立てをした私に

「ママ自転車組み立てられるの〜!

すごいね〜!」と三回くらい言った。

 

何も分かってないんだな・・・

 

子供がいて夫のいない家庭に

どんなことがあるか

 

通販で買った子どもの自転車を

組み立てるのは

私しかいないのに。

 

私はこんなことしたくないし

すごく苦手だ。

力持ちでもない普通の女だし

工具を触るのは苦手だ。

 

男手がないから

自分でやるしかない。

 

それを母はまるで

私が好きだから自分でやっているかのように

わざわざ高い声で褒めて見せた。

 

だから

「男手があったらいいんだけど

ないからさー、こんなのめっちゃ

苦手なんだけど」と言った。

 

その時一瞬黙った母は

母子家庭の娘の辛さを想像したわけではなく

 

「男手」が欲しいなんて

思うんじゃないよ、と思った様子だった。

 

 

私が、この人の老後の世話をすることはない。

 

世話される側になることを極度に

恐れている母は

きっとうまくボケて都合の悪いこと

全部忘れて、最後を迎えるんだろう。

 

もう何度も見た私の今の部屋の様子を

娘が電話で見せた時に

毎回初めて見たかのように

驚く母に、そんなことを思った。