子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

連れ合いをなくして弱る男性、強くなる女性

サレ妻必見?

このドラマ、結構面白かった。

tver.jp

 

私は浮気されたことはないのけど、夫婦の修羅場は経験済みなので

違う視点で見ていた。

 

最終回で心に響いた台詞は

 

陽子の元上司の年配の男性が言った言葉。

 

「連れ合いをなくしたんだ。耐えがたい苦しみだった。

おかしくなるのも無理はない。」

 

彼が連れ合いをなくした時、苦しみを紛らわすために

アルコール依存になっていたらしい。

 

そして彼は陽子さんを見て言う。

 

「彼女は大丈夫だ。酒や薬に頼らず、ちゃんと自分で

立ってる。」

 

ありがとうございます!

何だか、自分が褒められたような気がした。

 

やっぱり、女は強い。

 

人生で最も耐えがたい苦しみー

”連れ合いを亡くす”こと。

 

同じ「失う」でも離別は2番目。

 

私の場合は人生で最も耐えがたい苦しみの

トップ2を子どもが2,3歳の育児も大変な時期に

立て続けに経験した。

 

それでも、私はお酒にも薬にも頼らず

浪費もギャンブルもせず、ちゃんと自分の足で立ち続けた。

 

幼児を抱き抱えた状態で。

 

夫は、子どもが生まれたばかりの時期に

義母の裏切り、妻との喧嘩、夫や父としての責任に

耐えられなかった。

 

それで薬に依存し、飲めない酒も飲み、ギャンブルも始めて

散財した。ものを投げる壊すなどの暴力にも頼った。

 

彼のその行為が夫婦関係を壊滅的なものにしたが

別居離婚となったら、弱い彼は到底そんなストレスには

耐えられなかった。

 

ますます薬に依存し、自暴自棄になってフラフラして

とうとう命を落としてしまった。

 

高齢者になってから連れ合いを亡くすのは

誰にも訪れることだけれど

妻と死別後、男性の半年以内の死亡率は独身に比べて

40%も高く、うつ病発症率は15%増、1年以内の自殺率も独身に

比べて66倍だそうだ。

(参考資料:

1年以内の自殺率は66倍…妻を失った老いた父、子供はどう支える?|日刊ゲンダイDIGITAL

 

また、2012年のアメリカ・ロチェスター工科大学の研究では

男は、妻への依存度にもよるが一般的に妻に先立たれると

妻がいる場合に比べて早死にする確率が30%以上高くなり、

女性の場合は反対に夫がいる高齢者の方がいない場合と

比べて死亡リスクがが2倍高いそうだ。

 

周囲を見てもわかると思うけれど

妻のいない高齢男性は弱って早く亡くなり

夫を見送った高齢女性は自由を謳歌して長生きする。

 

これは死別の場合だけれど

離別だとしても精神的ダメージから立ち直りが遅いのは

男性の方で、女性は決めたらあとはたくましく前を向いて

歩いていく。

 

離婚の場合、その後健康的に自分の生活を送れるかどうかは

離婚原因と条件、それぞれの自立度による。

 

うちの場合は、夫が元々精神病を持っていて仕事をしておらず

彼が全く自立していない状態であったことと

弁護士を通さずには妻子に今後一切会うことはできないという

条件を私がつけたので

 

それは夫にとってはもう「生きている意味がない」とまで

なってしまったと思う。

 

当時の私は、子どもを守らなければという思いで必死だったので

離婚後の夫のことまでじっくり考えることなどできなかった。

 

両親が彼のことをなんとかするだろう。

それしかないから。

そのうち誰か優しい女性が彼のそばにいるようになるかな、

などと考えていた。

 

夫が打ち込める仕事を持っていた場合は

仕事にのめり込むことで苦しみを紛らわすことができると思う。

 

元の精神が健全であったなら

一時的に酒や散財に溺れることがあっても

立ち直れる可能性も高い。

 

浮気が原因なら、浮気相手もしくはまた別の女性との

恋愛にのめり込んで離婚の苦しみから立ち直るかも

しれない。

 

私の経験から言えば

男も女も「自分で生きる術」は持っておかなければならない。

それは最低限自分を養えるだけの収入源と生活力だ。

 

私は教師という資格と経験を持っていたため

離婚後すぐに自立することができた。

 

結婚しても子どもを産んでも

「自分で稼げる手段」を確保しておくことは必須。

 

誰も「私たちは絶対に別れない」保証などないし

死は誰にでも不意に訪れるものだから。

 

夫は、弱い人だったけれど、心から優しい人だった。

 

離婚前の修羅場の時に妻に手をあげる男性は

一定数いると思うが、薬漬けで錯乱状態であっても

夫が私や子供に手を出したことは一度もなかった。

 

ソファを蹴り破り、ベビーカーを叩き壊し

ダイニングテーブルをひっくり返したけれど

私たちの体に傷をつけたことはただの一度もなかった。

 

彼は本当に優しい人で、私を心から愛していたという

思い出が、私の自己肯定感にもなっている。

 

ただ、自分の足で立てない人だったから

人生が早く終わってしまったのかもしれない。

 

結婚しようがしまいが、子どもがいようがいまいが

成人したら自分の足でまずは立つことが何よりも大事だ。

 

親は、子どもが何があっても自分の足で立っていられる人間に

なるように育てなければならない。

それは、自分の命を守ることだから。