子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

近くの身内より遠くの他人

(この記事は過去に書いたものを転載しています)

2018年1月25日

 

それから私は結婚生活への未練をきっぱり捨て

縁切り寺へ行き、以前法テラスで相談をしていた

弁護士さんに正式に離婚協議の依頼をした。

 

離婚の話をするというのは想像以上に辛いものでした。

 

離婚は人生トップ2の辛いことだと

精神科の待合室に書いてありました。

 

かつて愛を語り合った人と縁を切りたくて

弁護士事務所へ行く。

 

夫が統合失調症で服薬していないこと、

暴力行為があったこと、意味不明なメールを

送って来ることなどから弁護士さんに

警察にも一度相談に行っておいた方がいいと言われ

警察署へも行きました。

 

警察署からの帰り、夫が穏やかだった頃の

たわいもない夫婦の光景を思い出して

なぜか笑いが止まらなくなりました。

 

何やってんだろ、警察で夫婦の話して。

なんでこんなことさせるの。

 

弁護士さんも警察官も、調停員の方も

みんなとても優しくて私に味方してくれました。

 

そういった方達と話している時は

「やっぱり私は間違ってないんだ」と

気はしっかりしていて笑顔さえも出るけれど

 

夜や休日になると辛くて悲しくて腹が立って

夫や親への憎しみ、殺意までも持ち、もう

全部終わらせてしまおうか、などど考えたりすることも

度々ありました。

 

どす黒い思いに支配されてこのままでは顔が

歪んでしまうのではないかと思いました。

 

夫が子供を望んだのに子供と離れることになるなんて

何やってんの。

 

私たちは子供を持つべきではなかったのでは・・・

 

隣でスヤスヤ眠っている子どもを見ながら

そんな風に考えてしまったりもしました。

 

私は自分の気持ちを内に秘めておくことがなかなか

できないタチなので、夫にも親にもかなり本心を

ぶちまけました。

 

殺したいほどの気持ちになったことも伝えたけれど

それでも夫も親も変わらなかった。

 

私を思いとどまらせているのは、もちろん子どもです。

 

この子は、私の状況や気持ちもきっと敏感に感じているはず。

それでも100%の信頼と愛情で私を見つめてくれる。

 

まさに神様そのもの。

この天使を、みなしごにする訳にはいかない。

絶対に!

 

母親として我が子を愛し守りたいという気持ちが

黒い気持ちに勝っています。

 

それと私を救ってくれているのは家族ではない赤の他人。

 

弁護士や調停委員、警察官といった揉め事の仲介に

入るお仕事の方々。

カウンセラー、ヒーラー、占い師という悩み相談を

聞く専門家の方々。

多くの体験と知識の詰まった本。

 

マッサージ師や美容師とおしゃべりすること。

 

家族以外の人と話をすることで直接的、あるいは間接的に

ヒントをもらい、心を救ってもらってきました。

 

家族間の揉め事というのは昔からの友人やご近所さんには

なかなか話せない。話しても紋切り型の励ましや

「離婚は双方に非がある」などの

知ったかぶりの非難を受けて傷が深くなるだけだったりする。

 

特に親戚は相談してはいけない相手のトップです。

 

「遠くの身内より近くの他人」という言葉があるけれど

「近くの身内より遠くの他人」です。

 

たまに電車に乗ると同じ車両に乗り合わせている

多くの無言の人々を眺めながら

『分け御霊』という言葉が浮かびます。

 

わけみたま。

 

天界でもともと1つの大きな塊だった魂が

小さく分かれて人間界に降り立ち、それぞれの

課題を持ってこの世界を生きている。

 

名前も知らない、話したこともない人たち。

 

でもみんな同じ人間で姿形もだいたい一緒だし

それぞれに苦しいことや使命を抱えて浮いたり

沈んだりしながら一生懸命生きているんだなあ、

なんて思ったりします。

 

このブログを読んでくれている顔も知らない方達も。

 

分け御霊だから。元は一緒だから。

 

神様の世界にいる時

地球で学ぶ課題を決めて出会う人のタイプを選んで降りてきた。

 

だから親も夫も、必要な出会いだった。

 

学ばなければいけないこと、全部ではないかもしれないけど

結構学べている方ではないのかなと思います。

 

子供が生まれて夫が別人になり

自分の親の本性に気づきかなり痛い思いをしました。

 

親と対決することは魂がえぐられる。

自分を産み育て、それまで100%の信頼を寄せてきた相手。

誰よりも一番愛して欲しいと願った相手。

 

夫と親と同時に対決しなければならなくなり

しかも腕の中には無垢な笑顔を見せる幼い子がいるという

八方塞がりな状況になって

人生で一番しんどかった2017年でした。

 

それでもやっぱり私は人間が愛おしい。

 

毒親から親離れするために直接対決する理由は

 

「傷をつけた本人に返すことでしかその傷は癒されない」から。

 

そして

「傷をつけるのも人間だけど傷を癒してくれるのも人間」

 

近くの身内とダメになっても遠くの他人が

また生きる希望を見せてくれる。

 

出会うタイミングもご縁の深さも色々だけど

大元はみんな1つだから。

 

私はここまで過酷な状況になってようやく

本気で親離れをする決意ができた。

 

ちょうど40歳だし、心の成人式にはいいタイミング。

 

自分も親になってやっぱり強くなった。

 

私は直接対決の方法を選んだ。

 

そして夫にも、できれば親ときちんと向き合って

しっかり親離れしてもらいたいと思っている。

 

直接対決とは大ゲンカするという意味ではなく、

親に謝罪や変化を求めず感情を入れず、

「私は何歳の頃あなたのこういう言動で傷つきました。」

というのを思い出せる限り全部、口頭でも手紙でもいいから

淡々と伝える。

 

私は出産前後から何度かやったけれど

夫は多分1回もやってないから。

 

毒親カウンセラーさんの話では

「親に子供を傷つけたことを自覚させる」ことと

「自分も覚悟を決める」ことが目的です。

 

傷は親にお返しして、本来の自分で、自分の足で

立って生きるということ。

 

親にお返しした後は、もう全部自分の決断と責任で生きる。

誰のせいにもしない。誰にも振り回されない。

 

 

男性には対決を避けて音信不通の手段を取る人の方が多いそうです。

 

そうまでしたら、親は少しは反省するんだろうか?

いや、しないね。しないから毒親なんだ。

ただ、寂しさを噛みしめるだけ。

 

私は縁切り神社の絵馬に書きました。

 

「精神病無職、依存体質の男性との縁が切れ、自立していて頼もしい

ヒーローのような男性とだけご縁が繋がりますように」

 

私自身がしっかり自分でオールを漕ぐようになった時

出会う人もまた自分でオールを漕いで、さらに手を

差し伸べられる人に違いない。

 

それが真の大人になった夫なのか、

はたまた全然別の人なのか、今は分からない。

 

私と夫は子供の誕生と同時に別々の道を行くことになった。

これも神様がこの子を通して与えてくださった

「気づきのチャンス」なんだろう。

 

でも私たちの物語はこれで完結、ではない。

 

リスタート。

 

2018年はリスタートの年です。