子の心親知らず

出産後2年で離婚した毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

殺人事件の半数以上は家族間で起きている。我が子を加害者にしないために心がけたいこと。

 

警察庁が今年4月、ショッキングなデータを公表した。2016年に摘発した殺人事件(未遂含む)のうち55%、つまり半数以上が、「親族間殺人」だというのだ。いまの日本の家庭や親族内での人間関係が、いかに薄氷の上で危うげに保たれているかを、思い知らされるデータではないだろうか。

 

 

                       ダヴィンチニュース2017年6月の記事より引用

 

連日ニュースで見るし、本当に多い。

 

子供が親を殺したニュースをみたときの父の反応

「親を殺すなんて何考えとんや・・・・」

(子供は親を大事にするべきという前提)

 

親が子供を殺したニュースをみたときの父の反応

「自分の子供にようこんなことするなあ・・・」

(親から子へは無償の愛という前提)

 

完全に他人事&きれいごと。

 

それをみている私の心の中。

「いやあなたみたいに家族の心に共感できないから殺されんじゃないの」

「親や子を手にかけないといけないほど追い詰められていたのに誰にも

救ってもらえなかったなんて辛かったよね・・・」(加害者側の立場)

 

私は、性善説を信じているので生まれながらの悪人なんていないと

思っている。

 

誰にでも黒い心はあって、それが暴走するかしないかは

成長の過程できちんと心が育ち、自己肯定感を構築できたかどうかに

かかっている。

 

昨日「世界仰天ニュース」で2007年に英語教師のリンゼイさんを殺害した

市橋という男の事件の全貌を紹介していた。

 

彼は両親ともに医者という裕福な家庭で育ったが

医大は4浪して入れず、入れた大学になんとなく行くも

何も身につかず、卒業しても就職せず留学の夢を持つも英語の

勉強すら続かず、親の所有するマンションに住み、親からの仕送りで

28歳まで暮らしていた。

 

そんなある日、業を煮やした父親が突然彼に電話で告げる。

「今月で仕送りはやめる。その部屋からも出ていけ。

もう28だろ。自活しろ。」

 

そう言われた市橋は途方にくれて街をさまよっている最中に

偶然リンゼイさんを見かけ、声をかけた・・・

 

ああ、やっぱりそうか。

被害者が偶然通りかかった人だったのは知らなかったけれど

彼の生い立ちを聞いて、やっぱりか。なるほど。と思った。

 

 


家族のゆくえは金しだい

 

↑ この本に書いてあった。

 

「現代の家族の問題は持てる親と持たざる子によって起きている」

 

戦後の経済復興期を生きた今の60代70代はバブル期に大きく

稼いだ人も多いしそうでなくても一億総中流と言われた時代で

普通の会社員公務員でも安定した資産を築くことができた。

 

高齢者の仲間入りをした彼らには比較的たくさんの

貯金があるし、年金もそこそこもらえている。

 

それに比べてその子供世代。

今の30代40代は不況の時代を生き、働き方の多様化から

成功者と脱落者に分かれ、貧富の差が開いてきた。

 

みんなと同じことをしていれば中流の生活が確保できていた

親世代と、みんなと同じことをしていたら貧乏になる時代を

生きている子供世代。

 

世の中はそんなにも変わっているのに、

親たちは自分たちのやり方価値観こそが100%正しいと

子供に押し付ける。

 

市橋の両親がどんな態度で彼に接してきたか

私には想像できる。

 

圧力。個性の無視。

勉強していい大学に入って医者にでもなれば安泰なんだという

自分たちの生き方の押し付け。

子供がどんな風に生きていきたいか何が好きなのか得意なのかの

相談に親身に乗ることはない。

 

一方で経済的には余裕があるからお金には困らないように

してあげるという養育。

生活に困らないお金を渡しながら「自活しろ」と口だけは

言う矛盾。

 

親が先回りして、あるいはちょっと言えばすぐにお金を

くれる状況で、一体どうやって自活する気力が湧いて

来るのだろう。

 

動物たちはかなり早い段階で我が子を突き放す。

泣いて付いて来る我が子を心を鬼にして無視する。

 

そうしなければ、子は自分の力でこの先生きていけないからだ。

親は普通子より先に死ぬ。

適切な年齢の時に親の方から突き放すことこそが、真の親の愛。

 

しかし「持てる親」たちは経済的ゆとりに任せて

つい子供をお金の面で甘やかしてしまう。

 

自分たちは戦時中の「持たざる親」に食べるものもあるかないかで

育てられたから、若いうちに自活するのは自然の成り行きだった。

別に心を鬼にする必要もなければ親子で「お前は何がしたいんだ」と

話し合うことすらなかった。

 

成人した子から家を出て働くのは、当然だった。

家にお金の余裕なんて1円もなかったのだから、誰もそこに

疑問など持たなかった。

 

だけど現代は違う。

 

お金にゆとりのある親から子供が自立して

自分で稼いで食べてゆく気になるためには

親の方が「そうしないといけないのだよ。それがお前のためなのだ」と

毅然とした態度を見せなければ子供は分からない。

特に裕福な家庭の場合は。

 

20歳くらいでそれをやらないといけない。

 

その年を過ぎてしまって

30あるいは40になってから自分たちの老後のお金が

心配になってきたからといって急に

「もう仕送りしない。自分でやっていけ。」と言われても

今更どうしていいか分からない。

 

え?なんでよ。

今まで大丈夫だったじゃん。

お金出さないって、もう俺のことは愛してないってこと・・・?

 

こうした家庭で育った子供は

親の愛=お金 になっている。

 

親の愛情はお金と言う目に見える形になって

彼らの手に渡っている。

子供たちはそれを受け取ることによってのみ

自分はこの世界にいていいと許可されているような気がしている。

 

自分は裕福な家に生まれたから

働かなくても生きていけるんだ。

 

そう信じて就職年齢を過ぎてやってきたのに

突然「終わりだ!」と告げるなんてあまりに残酷。

 

子供が自分の力で生きていけるように

幼少期から導く、ということをやってこなかったのに

いきなり最後通告だけするなんて。

 

この市橋と、元夫が重なる。

 

私の元夫も裕福な家庭で育ち30を過ぎても働かず親のお金で

暮らしていた。

大学にも入ったし留学もあちこちしてみたけれど、何をやっても

続かない。入学しては2ヶ月でやめるということを

結婚後も繰り返していた。

 

30代半ばになり家庭を持ち、妻の私だけでなく親も

勉強ばかりしたがらないでいい加減仕事しろ、と思っていた。

なんでもいいから仕事をして欲しかった。

 

だけど心が育っていない、自己肯定感が全くなく自己認識が

歪みまくっていた彼には自分に何ができるのか何がしたいのか

も分からなければ、続ける気力が全くなかった。

 

働いたことはないのに人に指示されるのは受け入れられない。

仕事と食べる、寝るは両立しない。

 

子供が生まれて妻に仕事して欲しいと言われ

親にも突然仕送りと家族カードを切られた彼は

食べない。寝ない。睡眠薬中毒になる。暴れる。ギャンブル。

そんな風にめちゃくちゃになってしまった。

 

人を殺さなかったのは、彼の根っこは善良で平和主義で神を

信じているからだと思う。親も完全に見放してはおらずギャンブルの

支払いにお金を出したりしていたのもまだ救いだったのかもしれない。

でもスレスレのところにいた。

 

そしてもう一人市橋の事件をみて思い出した人がいる。

私が外国で働いていた時の日本人の同僚男性。

 

彼の父親も医者だった。

彼も優秀な国立大学を出ているけれど、卒業後すぐ

医者とは全く関係ない仕事で

海外就職し、親とは絶縁しているみたいだった。

 

純粋で素直な愛されキャラの人だったけれど

親の話になると固く口をつぐんだ。

 

たまに職場に届く親からの仕送りの荷物は開封すらせず

「このまま捨ててください」と言っていた。

 

彼の夢は料理人だった。

そのことできっと、医者でしかも院長の頭の固い父親と言い争いになった

のだと想像する。

 

外国で働いていると、親に気持ちをわかってもらえず

半絶縁状態で来ている人にも少なからず出会う。

 

まだ外国に自分の居場所を見つけられた人はいい。

路頭に迷い、自ら人生を破壊してしまう人も少なくない。

 

どんな親でも我が子が引きこもりになったり殺人者になったり

することを望んではいないだろう。

 

それならお勉強より大きいお家より英才教育の習い事より

「心の健全な発育」を最優先に

小さい時から子供を信じて見守る、話を聞く、好きなこと得意なことを

伸ばしてあげる、そういったことで自己肯定感を育ててあげないと

いけない。

 

親は支配者でなく、親子は対等な関係である。

 

子供が自分の意思や意見を言うとき

「お前に言われる筋合いはない」とか

「子供に何がわかる」とか

「親の言うことを聞いておけばいいんだ!」とか

 

そんな大馬鹿な返答で子供の心の発達を阻害しないようにして欲しい。