子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

市役所とカウンセラーの連携

今みているドラマの1つ。

『健康で文化的な最低限度の生活』

 

役所の生活保護の申請を受け付ける課と

そこに来る”困っている人々”のお話。

 

夫のDVが原因でうつ状態のシングルマザーもいれば

父親からの虐待で心に傷を負って働けない青年もいる。

 

やっぱり、生活保護を申請しなければいけないような

状態に陥っている人は

心に何かしら深い傷を負い、心の病気になっている人も

多い。

 

生活保護は税金だから

役所はなるべく出したくないのだから

 

「仕事は?」

「援助してくれる家族は?」

 

と質問することになる。

 

だけど

家族に援助を求められるようなら

最初からそうしてるだろうし

働けるなら働いてるよね、って話。

 

八方塞がりになっちゃったから

恥を忍んで勇気を持って

役所に足を運んでるんじゃないかな。

 

本当はもう働けるのに

生活保護で働かず暮らすのに味をしめて

働かない人もいるのかもしれない。

 

だけど、一番最初に

申請に行くのって、やはり惨めで

心苦しいんじゃないか、と思う。

 

だって、健康な大人なら誰だって本当は

自分の力で生きたいんです。

 

生き物は大人になったら自分で食い扶持

稼いで生活したい。

 

それができないと命の危険を感じるのが

生き物の本能です。

 

だけど、 

心を病んでいるから働けない。

 

心を病んでいると、働けないんですよ。

 

なぜなら仕事は、人との関わりが必須だから。

どんな仕事でも、在宅でも工場の作業でも

仕事には他人の存在が必ずあって

 

会わないにしてもメールでも電話でも

他人と連絡しないといけないし

 

どこかに通勤するなら人混みに

出向かなきゃいけない。

 

心を病んでいる人は、

人が怖いです。

 

過剰に、人が怖いのです。

 

まるでゾンビがうようよしている中に

「さっさと行けよ!」と放り込まれようと

しているくらい。

 

入ったら死んでしまうんじゃないか、と

真剣に思うくらい、怖いのです。

 

だから、仕事なんてできないです。

 

私は大学生のとき摂食障害という心の病でした。

 

アルバイトしようと思って

面接の電話をするんだけど

約束の時間になぜか体が動かない。

 

動けなくて面接をドタキャンして

電話で怒られて

ますます人間が怖いと思うようになる。

 

駅ですれ違う人

店員さん

知らない人みんなが自分をみてクスクス笑って

悪口を言っているような気がしました。

 

私は過食症だから。

食べることをやめられなくて醜く太っているから。

 

働けないダメ人間だから。

社会の落ちこぼれだから。

 

毎日1分1秒自分を責めているから

これ以上人に責められたら耐えられないから

どうしても隠れたくなってしまう。

 

統合失調症だった元夫は、もっと怖がっていた。

 

父親になるんだから何でもいいから

仕事して欲しいと言ったら断薬して躁状態になって

暴走してしまった。

 

やっぱり、仕事について考えることさえも

まだできる状態ではなかったのだな、と

今はよくわかります。

 

このドラマでは

生活課の職員が申請に来た人々を

一度はますます追い詰めてしまって

自殺未遂まで追い詰めたりするんだけど

後から互いに歩み寄ってめでたしめでたし、

となる。

 

見ていて心理カウンセラーを面談に同伴するとか

職員が申請者の様子が少しでも変だと思ったら

カウンセラーに相談するとか

 

そういうシステムになってた方がいいんじゃないかな、

と思いました。

 

やっぱり人間の精神について専門的に勉強した人

じゃないと、独断と偏見、一般的な社会常識で

相手を見てしまうから。

 

家族だから分かり合えるはず、とか。

 

若いのに仕事しないで何甘えてんの?とか。

 

生活保護の申請に来るような状態になっている人は

すでに心がボロボロに傷ついている。

 

ギリギリのところで救うのが生活保護の役目ならば

お金だけじゃなく心も同時に救い上げる必要が

あるよね、と思いました。

 

そうはいっても、

私は母子家庭になって役所に頻繁にお世話になっていますが

結構親身に支援してくれるんだなあ、

日本の弱者救済も案外捨てたもんじゃないな、というのが

実感です。