子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

大切な人を失わないために必要な3つのこと

元夫がこの世からいなくなってしまったことを知った
今年。

 

折しも自粛や鎖国で家でじっとしている時間が
多く、嫌でもいろいろ考えてしまう。

 

実家の私の部屋には元夫が買った本が

たくさん残されている。

 

里帰り出産の時に持ち帰ってきたもので

一部は別居後に彼の実家に送ったけれど

彼は大変な読書家で大量だったので

一部はそのままになっていた。

 

彼は内田樹さんを敬愛していて

一緒に講演会にも行ったことがある。

 

内田樹さんの本だけは捨てないでくれと

言われていたので、全部置いていた。

 

今、その中の1冊を時間がある時に

読んでいる。

 

読んだら、感想を言いたくなる。

 

夫と、先生の本や話について

熱く語り合っていた日々を思い出す。

 

国と国の問題、政治について

闇の勢力について、宇宙の法則について

人間について

 

いろいろな深いテーマで私たちは

何時間でも楽しく語り合っていた。

 

今、それを語り合える人がいないことが

とても淋しくて、残念だ。

 

こんな話をお酒も飲まずに楽しく

何時間でも話せる相手は

私にとっては彼しかいなかった。

 

私も彼も、そんな話をしたい人だった。

 

その存在を失ったことが

今更とてつもなく痛い。

 

あの時間で私はどれほど人間としての

深みを増すことができただろう。

 

逃した魚は大きい

 

とはよく言ったもので、

もう2度と手に入らないから

別れただけではなく、彼の肉体が

この世から消えてしまったからこそ

後悔が募る。

 

占いでも相性はすごくいいと言われていた。

こんなにも相性のよかった、仲良しだった

私たちがなぜ終わってしまったのか。

 

2度と同じ失敗をしないために

そして今大切な人を失うかもしれない不安を

抱いているすべての人のために

 

失敗から学ぶ作業をやりたい。

 

大切な人を失わないために必要な3つのこと

 

1. 謝る

 

私たちはどちらも誰も、謝らなかった。

離婚を切り出しのは私の方で、夫は離婚したくないと

言っていたのに、結局一度も一言も謝ってくれなかった。

 

夫からすれば、出産後に関係がおかしくなったのは

私が産後鬱みたいだからで、赤ちゃんのことでいっぱい

いっぱいで夫を構わなくなったからで

私の母親が意地悪だからで、自分は何も変わっていない、

何も悪くなかったのにこうなった、という思いしか

なかったんだろう。

 

確かに諸悪の根源は私の母親にあるけれど

母の元から離れた後は、離れて自分についてきた

妻を信じて関係修復に一緒に努めて欲しかった。

 

子供が生まれたら変わるのが普通で

夫婦は変わらなけば継続できないので

夫の主張の「俺は変わってないのに」は

だからこそダメだった。

 

赤ちゃんの世話でいっぱいいっぱいの妻を

どうすれば助けられるのか

自分で考えないまでもせめて言ったことは

やって欲しかったし、だからと言って夫への

気持ちがなくなったわけじゃないことを

信じて欲しかった。

 

話し合いを持った時も

夫は「俺は一生懸命やっている」

「お前がおかしい」「望みすぎ」とか

自分の正当化と

 

別居中の自分の生活について

延々話すばかりで

「別れたくない」と言いながら

メールでも直接でも電話でも一言も謝ってはくれなかった。

 

私は何度か謝ったと記憶しているけれど。

 

もしも謝ってくれていたら

結果は違ったかもしれない。

 

2. 信じる。不必要に疑わない

 

私がいよいよ離婚したいとなった時

夫と姑は二人揃って

「他に男がいるんだろう」と言った。

 

当時子どもは1歳前後で

海外と日本を行ったり来たりしながら

夫や親と揉めていた私は

 

今の私のどこにそんな余裕があると

いうのか!と呆れて怒る気力も沸かなかった。

 

私のパソコンのカレンダーの予定を

勝手に勘違いして

「何日夜にデートの予定が入っているよね!

どこで出会った男だ!」と意味のわからないことを

言ってきて、男の気配など一欠片もなかった私は

心底がっかりした。

 

私が話し合いたいのはそんなことじゃない。

あなたとこれからもやっていく方法を

一緒に考えたいのに・・・・。

 

早とちりや妄想で相手を身に覚えのないことで

責めてしまったら、相手を傷つけて信頼を

完全に失ってしまうかもしれない。

 

相手からはっきりと言われない限りは

変に疑わずに信じた方がいい。

 

3. 脅さない

これはやる人はそんなに多くないかもしれないけど

私の夫は離婚したいと言い出した私を脅す作戦を

使った。

 

die or die or die or・・・・・と

画面いっぱいに書かれたメッセージを送ってきたり

 

知り合いの半グレのやつと連絡取ってきた。

あいつら何するかわかんないから気をつけてね、と

言ったり

 

薬中のいとこがブチギレてる。お前ら家族ヤバイよ。

と言ったり(薬中のいとこは実在する)

 

夫くんがフェイスブックで不気味な投稿を繰り返してるけど

大丈夫?と共通の友人に心配されたこともあった。

 

こんなことをやるから、離婚成立前から
私はすべての連絡手段を絶った。

 

LINEもフェイスブックもメールも電話も全部。

 

私と話したいなら弁護士を通してくれと弁護士から

通知文を送ってもらった。

弁護士にでも守ってもらわなければ

本当に身に危険が及ぶと思った。

 

彼は統合失調症だった。

 

自傷他害の危険があると認定されている病気で

完全に絶望したら最後の一線を超えることも

ありうると私は感じていた。

 

実家の場所は知られているので

放火しに来るんじゃないかと夜家の前を

人が通るたびに心臓がバクバクした。

 

生命の危険が迫っていると本能が感じている時

ましてや守らなければならない幼い子どもを持つ

母親がそのレベルの危険を感じた時

子の父親であろうと完全な敵になる。

 

脅すことは

自分は敵であるとメッセージを送るのと同じことだ。

 

命を狙う敵が迫ってきたら

逃げ出すのが普通だ。

 

ましてや子を抱えた母親なら尚更。

 

夫は失いたくない相手に送る

メッセージを完全に間違えた。

 

 

もし、彼が不気味なメッセージで脅したり

しなければ、完全に連絡手段を絶ったりは

しなかったと思う。

 

子の父親だし、私にも愛情も情けもあったのだから

改心する日が、また仲直りできる日が来るかもしれないと

連絡手段は残しておいただろう。

 

そして私が完全に連絡手段を絶ったことで

夫の方は完全に絶望し、生きる力を失っていったと

想像できる。

 

私は夫に完全に興味がなくなったわけでも

出会ったことを後悔するほど嫌いになった

わけでもなかったけれど

 

ただ、怖かったから

不気味なメッセージを見て心臓バクバクの

夜を送りたくなかったから

子どもの前で笑顔を失う事態を避けたかったから

命を奪ったり奪われたりという最悪の事態は

絶対に嫌だったから

 

連絡手段を断つことで逃げた。

自分と子どもの身を守った。

 

そこまで追い詰めたのは

夫であり、そうして私たちは修復の機会を

なくしてしまったのだった。

 

離婚しても、連絡を取り合える関係にあれば

時間が経って後悔したり反省したり

改心する出来事があった時に

謝罪の連絡などすることもできた。

 

だけど脅されたことによって

そのチャンスは完全に消えた。

 

人の心は変わる。

世の中も変わる。

人間は間違える。

だけど人間は成長する。

 

だから完全に絶縁したくなければ

納得いかない気持ちがあっても

 

謝る。

信じる。

脅さない。

 

これは必須だと思う。

 

親子の間でも。

 

妹も私を信じず、謝らなかった。

だから私は彼女が死んでも涙も出ないと

想像できるくらい気持ちがなくなった。

 

父も母も

私を信じない。

何があっても謝らない。

 

だから彼らの人生の最後に

私は離れる決意をした。

 

もしも今、大切な人との関係が

危うくなっているなら

 

その人を失いたくないと心から

願っているなら

 

自分の正当化にばかりエネルギーを

使わず、相手を責めたり脅すことに

頭を使わず、相手の不貞行為の証拠

集めに必死になったりせずに

 

信じて

反省して

謝って

受け入れよう。