子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

夫と復縁した夢

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私たちは空港の待合室の椅子に

並んで座っていた。

 

夫の隣には5歳の娘がパパの膝に

頭をのせてスヤスヤ眠っている。

 

わたしは夫の腕に腕を絡めて

彼の肩にもたれかかりながら

彼に聞いた。

 

「ねえ、今はもう海外旅行年に1回

しか行けないけど、それでいいの?」

 

夫はとても穏やかな顔で

言った。

 

「全然いいよ。十分幸せ。」

 

それを聞いてわたしは彼の腕にさらに

体を寄せその温かみを感じて

穏やかな幸せを噛み締めていた。

 

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夢だった。

 

1月5日の早朝にみた夢。

 

わたしは夫と復縁して久しぶりの

海外旅行に家族3人で出かけるようだった。

 

夢が覚めた時

夫はもうこの世にいないことを思い出した。

 

手に入れられるはずだった幸せ。

 

2ヶ月に1回は旅行をしないと気が済まない

夫だったから、

子どもがいる今、そして

コロナ 以後移動が難しくなった時代に

わたしは放浪癖のある彼が耐えられるのか

心配だったので、そんな質問をしたのだった。

 

2011年から2017年の間

私たちは本当に2ヶ月に1回くらいは空港にいた。

 

空港とホテルにいる時間の合計の方が

自宅にいる時間より長いんじゃないかと

思うほどだった。

 

アジアにヨーロッパ、南米まで

二人でいろいろな国に行って

長い長い旅をして過ごした。

 

日本国内もあちこち行って

美味しいものをたくさん食べ

温泉に入り、各地の神社に行ったり

いい経験をたくさんさせてもらった。

 

夫が亡くなってわずか5ヶ月後に

突然移動ができない世界になるなんて

まるで彼はそれを分かっていて

わたしと長すぎるハネムーンを楽しんでいたのか

とさえ思う。

 

世界を自由に旅行することができない時代に

なる前に、夫とお金の心配も時間の制限もない

状態で地球探検ができたことは

わたしの人生の大きなご褒美だった。

 

行きたい場所に全部行けたわけじゃないし

やりたいことを全部やり切ったわけじゃない。

 

彼は38歳の若さで地球を去ったのだから。

世界を満喫するにはまだ時間が必要だった。

 

でも、普通に仕事をしている人が

一生かけてもできないくらいの世界旅行は

した。

 

結婚もしたし、出産にも立ち会って

子どもの顔も見た。

 

彼はそれなりに今天国で満足しているようだと

夢の中の夫が教えてくれた。

 

きっと、わたしがまだ後悔を引きずっているから

取り返せない幸せを

手に入れられるはずだった未来を

思って泣いたりしているから

 

もう煩悩とか後悔とか怒りとかは無縁の

愛と調和の光の世界にいる彼の魂は

そんなわたしを見て

それこそ仏のような穏やかな表情で

「幸せだったよ」って

伝えに来てくれたような気がする。

 

わたしは彼を一家のヒーローにして

あげられなかったことを後悔しているから

 

愉快なパパと娘たちが騒いでいるYoutubeばかり

見ている娘に、パパと呼べる存在を与えられていない

ことを悲しいと思っているから

 

神様の前で愛を誓った人の死を

きちんと感じることができなかったことを

悔いているから

 

わたしも彼と結婚して

幸せだった。

 

クレイジーな結婚生活だったかも知れないけど

私たちは幸せだった。

 

この愛らしい幼い娘が

寄り掛かれるパパの体がないことが

悲しいけれど

 

パパの魂は空から私たちを

温かく見守ってくれているんだな、

ということは

 

夢や瞑想で感じることができた。

 

朝、夢から覚めて

愛する人の肉体がもうここにないことを

知る。

 

失ってから気づくことは多く

人は学んで成長もする。

 

だけど相手がこの世にいないなら

もう謝ることもやり直すことも

できない。

 

ただ、思いは天国にも通じる。

 

そして

残された者は、今できることをこなし、

今目の前にいる人を大切にして

その死から得た学びを次の出会いに

活かして生きていくだけ。