ご覧になってますか?
私はTverで観てます。
この「六本木クラス」で早乙女太一さん演じる
龍河と、離婚直前の夫が重なるので
彼らの心理を分析したいと思う。
https://www.tv-asahi.co.jp/roppongi_class/
長屋龍河は業界トップの居酒屋チェーン「長屋」の
会長の息子(長男)。
店は六本木を中心に展開されている。
私の元夫は麻布十番に店とビルを持つ
親族経営の会社の社長の次男。
規模は違っても場所と立場が類似。
龍河は1軒の定食屋から業界トップにまで
上り詰めた凄腕の会長である父親から
全然認められていない。
親の力を自分の力だと勘違いして
自分では何もできないくせに
周囲に威張り散らしてきた典型的
ダメ息子。
金持ちの2世3世あるある。
商売は人ではなく利益だという
信念のもとライバルは手段を選ばず
蹴落とし、独裁経営してきた父親の
背中をみて、人間としての心を健全に
育くむことなく
金はあれど愛はない
そんな環境で常に満たされない思いを
抱えたまま体だけ大人になった
親に話を真剣に聞いてもらうことが
なかったために
自分の感情を言葉でコミュニケーションすることが
うまくできず
暴力に走ってしまう。
立場的には会社を継げる立場であるのに
その能力がなく、人望もなく
父親に全く信頼されていない。
それで弟に八つ当たりし
好きな人にも嫌われている。
死亡事故を起こしても逃げて
親に権力と金で尻拭いしてもらった。
この人と、私の元夫は共通点が多い。
夫も、事故を起こしたことがあるそうだけど
お父さんが全部尻拭いしたと言っていた。
経営手腕はあっても
子育ての才能のなかった親に育てられ
愛情不足で育って精神を病んだ。
自分と後妻である母親が
父親をはじめ親族から認められていないという
惨めさ、卑屈な思いの中で
金と権力の争いに明け暮れる大人たちを
みながら都会の真ん中で彼は
大きくなった。
このような環境で育って
親に話を聞いてもらえない、
親に心の声を訴えるチャンスをもらえない
少年は、自暴自棄な行動に出ることが多い。
周囲からのその恵まれた環境に対する評価や
嫉妬と、それとは真逆の満たされない思い。
うまく言葉にできないモヤモヤは
彼らを悪行へと走らせる。
バイクや車で暴走したり
薬や大麻に手を出したり
学校をサボってゲーセンに行ったり
高校生でヘリをチャーターするような派手なデートを
してみたり
そんなことをして楽しんでいる風にみえても
周囲から羨ましがられても
彼らの目は輝いていない。
目は口程にものをいう。
何より目だ。
この早乙女さん演じる龍河の目と
離婚直前の夫の目がとても似ている。
目に魂が宿っていない。
本当の自分で生きていない。
自分の近しい人に認められていない
必要とされていないという自己否定、
愛が欲しくて欲しくて仕方ないのに
うまく表現できない虚しさ
深い孤独。
それが全部瞳に映っている。
このドラマを見ていれば
竹内涼真さん演じる宮部と
龍河の目の違いがとてもはっきりしている。
自分に正直に、自立して
悲しみと孤独を力に変えて
その力を向けるベクトルを正しい方向に
向けている人の
魂の入った瞳。
愛を渇望しているのではなくて
自分から愛が溢れている
人を大事にしている人の瞳。
竹内さんの瞳はそんな瞳だから
人が惹きつけられる。
結婚生活がうまく行っていた時
夫の瞳もそんな瞳だった時期があった。
出会った頃の夫は
優しい目をしてはいたけれど
どこか虚しさを感じさせる
空洞のある瞳だった。
新婚生活2ヶ月目の頃
私の言動が彼の逆鱗に触れて
夫がキレた事があった。
空のペットボトルで私を叩く夫の目が
空洞で、光がなくて
私は心底怖くなった。
殺されるのかもしれない
悪魔に取り憑かれてるのか
そう感じさせる目だった。
それが結婚1年目に
私の実家で糖質療法をして
体も締まってきた頃
急に夫の目に魂が入ったのが
わかった。
目が違う。
力がある。
自信がついたんだ。
私のことを信頼してくれたんだ。
それがはっきりとわかった。
だけれど
私の出産で入院した頃
夫の目はまた空洞部分が多くなった。
母が急に意地悪になったことと
嫌な思いをたくさんしてきた日本に
いること
私が自分の方を見る時間が減ったことなどから
彼はまた自己否定が強くなり
愛を失うのではないかという恐れに囚われ
愛を渇望しながらもうまく表現できない
昔の目に戻っていった。
そのまま彼の目は戻ることなく
離婚直前には痩せて
龍河のような顔つきになっていた。
人を信頼していない瞳。
自己否定と愛を渇望する瞳。
本当の自分がそこにいない
魂の抜けた瞳。
こういう目つきになっている人は
本当に危険だ。
人に危害を加える可能性もあるし
自分を傷つける可能性も高い。
私は、その夫の目にもう一度
光を取り戻してあげる事ができなかった。
一度は救ったのに
最後まで助けることはできなかった。
龍河は、どこかで救われればいいなと
思う。