子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

海外暮らしのシングルマザー、帰る場所がない

ご存知のように、今中国は大混乱中で

わたしの勤める大学も例年より1ヶ月も冬休みの

開始が早くなった。

 

クリスマス前にもう休みで

学生は15日には帰省させられ

同僚の教師は大学に閉じ込められたまま。

 

いつもは大晦日の夜に学生を自宅に招いて

蕎麦を振る舞い、日本式の年末を体験

させてあげていたのだけど

今年はそれもできない。

 

わたしは今学期ずっと自宅でリモートワーク、

娘の小学校ももう2週間オンライン授業。

 

無症状感染が市内に1人でもいたら

これを続ける無意味に苦しめられるだけの政策。

 

3年間で一番めちゃくちゃで、

人に会うことが極端に少なくてつまらない、

誰でも苛立ちや落ち込みを感じる

状況の今。

 

義母の遺産相続の手続きの件で

日本に帰らないといけない用事ができた。

 

それに正直今の中国からは離れたい。

 

冬休みに帰国することにした。

2年ぶりに年末年始を日本で迎えられるかも

しれない。

 

それで、母に連絡した。

 

母の第一声は

「(妹)ちゃんも帰りますが、

大丈夫ですか?」だった。

 

44歳独身の妹も

東京から帰省するつもりにしていたらしい。

 

コロナで異動の自粛が叫ばれていた時は

帰っていなかったようだから

もしかしたら妹も久しぶりだったのかもしれない。

 

だから

「それは(妹)に聞いてください。」

と言ったら、聞かずにすぐに

「あなたが良ければ帰ってきてください」と

返事が来たので

 

「わたしが帰るなら妹は嫌かもしれないから、

わたしを切ったのはあの子だから

聞いた方がいいよ。」と言った。

 

数時間後、

「何日に帰りますか?

飛行機取れるかな?」と来た。

 

妹に聞くのが怖くてできなくて

話を逸らしてきたのがわかった。

 

飛行機取れるかな?の一言に

年末年始は避けてほしいという母の気持ちが

読み取れた。

 

がっかりした。

わかっていたけど、また絶望した。

 

健全な親なら

この機会に仲直りしなさい。

姉妹なんだから!とか

言うんじゃないだろうか。

 

母は、私たち姉妹を会わせないようにしている。

 

一生絶縁したままでも

自分が両方に会えるなら

自分の前で面倒なことにならないなら

子どもたちが孤独でもいいと思っている。

 

毒親は、子どもの一瞬の期待を、

一筋の希望を、あっさりと残酷に

何度でも何度でもうちのめす。

 

わたしの娘は、自分におばがいることを

認識していない。

ママに妹がいることを知らない。

 

わたしは話していない。

1歳の時に一緒に写っている写真があって

娘が「この人だあれ?」と聞いた時は

「ばあばのお友達。」と答えた。

 

今のわたしからすれば

妹は実際そんな感じだ。

 

そんな私たちが

年末年始に一つ屋根の下に集まったら

それは楽しく過ごせないに

決まっている。

 

だからわたしは

「今回は遺産相続手続きもあるし

日本には帰ります。年末年始妹が

帰って、お母さんが妹に聞くことさえ

怖くてできないなら、

私たちはホテルに滞在します。」

と返事した。

 

1日経って、やっと妹にわたしが帰ることを

告げられたのであろう母は

「今回は(妹)ちゃんは帰りませんので

あなたたちは何日に帰りますか?

待っています(笑顔の絵文字)」と

送ってきた。

 

海外から帰る私たちと

東京から帰る妹。

 

例年は年末年始はまだ休みじゃなくて

帰らない私たち親子と

毎年この時期が休みの妹。

 

まだ小さい孫に会うのと

44の口数の少ない娘に会うこと。

 

母は私たち親子を選んだ。

選ぶと思っていた。

 

だけど、悲しかった。

 

海外から帰国する子連れの娘が

実家に帰れないで

ホテルに滞在するなんて

悪いことをしているような気がして

偽善者の母はきっと受け入れられないだろうと

わかっていた。

 

だからあえて、ホテルに滞在すると言った。

 

でも、本気でもあった。

 

元々実家に帰る前に10日間ほど

用事を済ませるのと友人に会うのに

便利な場所でホテル滞在するつもり

だったから、それを延長するだけだ。

 

実際にホテルを探していた。

 

でも、年末年始

日本にいるのに、小学1年生の子どもが

いるのに、実家に帰れないで

2人でホテルで過ごすことを

想像したら、涙が出た。

 

夫がいれば、それで全然いい。

それだって普通だ。

 

でも、母子2人というのは

何だか孤独で、寂しい感じがする。

 

今年の1月に義母の死去の知らせを

受けた時、感情に任せて

「お父さんお母さんが元気な間は

そちらには帰りません。」と言ってしまった以上

状況が状況でも、身勝手かなとも考えた。

 

子どもがいなければ

絶対に2度と帰ったりしない。

 

母は、孫から父親を奪い

もう1人のおばあちゃんを奪い

さらに伯母を奪った。

 

これでさらにおじいちゃんおばあちゃんまで

会えなくなったら。

 

そう考えると胸が締め付けられる。

 

人生最大の試練だと思えた

2017年から5年。

 

まだ試練は終わらない。

 

楽で幸せすぎた2人きりの結婚生活の

5年間。

 

それを失ってから

 

世界的な試練と個人的な試練に

ダブルで襲われているこの3年間。

 

この不安定な世界情勢の中

たった1人で子どもの手を握り

この闇のトンネルを抜けられる日を

待っている。

 

2度と戻らない覚悟で海外移住を

したけれど

もう本当に帰る場所はないのだと

思い知らされた母とのやりとり。

 

今の中国で頑張っている外国人には

同じように祖国にもう帰る場所がない

と言っている人が多い。

 

それくらいの覚悟でなければ

生き抜いて行けないほどの

厳しい状況。

 

どこにいたとしても

シングルマザーには

帰る場所がない人も多いと思う。

 

でも、私たちは母親だから

負けるわけにはいかないのだ。