子の心親知らず

出産後2年で離婚した毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

私以上の犠牲者かもしれない妹

正月休みで妹が帰省していた。

 

妹は年子で現在39歳。

独身。

東京で会社員をやっている。

 

梅雨生まれだから仮に”梅子”としよう。

 

妹は私とは正反対の性格で

小さい頃はガキ大将、小中高と学級委員長や

生徒会長、部活の主将を務めてきたリーダータイプ。

 

体格も大きくて性格も男勝り。

小学生の頃は私をいじめた男の子に2つ年下にも関わらず

文句を言いに行ったくらいの、大将だった。

 

髪が長く色白でおとなしい印象、

いつも端っこにいて、男の子にからかわれても何も言えずにいた

私とは正反対の子供だった。

 

そんな元気一杯の梅子に異変が起きたのは

高校生の時だった。

 

梅子は過激なダイエットを始めた。

炭水化物を全く食べないダイエット。

 

夕食も野菜とか味噌汁とかのおかずだけちょこっと

食べて終わりだった。

 

梅子は片道自転車で40分かけて通学し

部活は剣道部で相当激しい運動を毎日していたにも

関わらず、極端にエネルギーを摂取しないようになった。

 

小さな頃からガタイの良かった梅子が

鶏ガラのようにガリガリになった。

 

私はこのダイエットはまだ成長期で運動量の多い梅子には

キツすぎるんじゃないかと心配し

母にも助言した。

 

しかし母は

「梅ちゃんはしっかりしてるから大丈夫よ!

この子はちゃんと考えてるやろうし。」

 

と私の心配を一蹴した。

 

そして、梅子の生理が止まった。

 

半年くらい生理がなかった。

 

その頃、高校生にして高血圧になっていたらしい。

これは今回の帰省の時に私は初めて知った。

 

高校生で高血圧ってあるんや!

何が原因なん?

 

今回の帰省時にその話になった時

私がそう言うと母は梅子の代わりに急いで

答えた。

 

「あるよ!若くても高血圧なんて。よくある。」

 

「高校生の時梅子過激なダイエットしてガリガリになったやん?

それが原因なんじゃない?生理も止まったしなあ?」

 

私がそう言うと母は

「生理が止まって高血圧なんかなるかいな!」と

慌てて言った。

 

そして梅子は腎臓病になってしまった。

 

塩分を控えないといけなくなったし

薬は今でも飲んでいる。

 

そのせいで甲状腺にも異常が出てて数年前に手術もした。

 

私は知っている。

 

母は、妹が過激なダイエットをして生理が止まり、

それが原因で慢性的な病気になってしまったことで

本当は自分を責めていることを。

 

でも私には、それとこれとは関係ない!と

慌てて否定するし、一度私のせいにさえされたこともある。

 

私が梅子が病気になったことについて

 

「だからあの時ちょっとダイエットが過激すぎるから

やめるようにお母さんからも言ってって助言したのに

お母さん梅ちゃんはしっかり考えているから大丈夫やって

言ったから、こんな慢性の病気になってしまって」

 

と言ったことがある。

 

その時母は

「あんたのせいやろ!姉ちゃんが梅をいじめるからそれで

ストレスであの子あんなんなったんや。」

 

私はびっくりした。

 

まさか妹の病気を姉の私のせいにするなんて

この人本当に母親なんだろうか?

 

確かに10代の頃、私は梅子にあれこれ嫌味を言っていた。

でもそれは私が母に嫌味を言われていたからだ。

 

家庭の中では、愛情も憎悪も

強い者から弱い者に流れる。

 

母が長女をいじめれば、長女は次女をいじめる。

 

そこにしか、吐け口はないのだから。

 

母が長女を愛して尊重すれば

私は妹を愛して尊重したのに。

 

私は高校生あたりから母と面と向かって

喧嘩するようになった。

 

私は何でも母に分かってほしくて

認めてほしくて、友達のことも恋愛のことも

進路のことも、全部全部母にしゃべった。

 

そして母に否定され、拒絶され、干渉され

傷ついてきた。

 

そんな母と姉の様子を間近で見ていた梅子は

固く口を閉ざすことに決めたようだ。

 

家族には、自分のことは何も話さない。

 

高校生の時から始まった梅子のその決意は

39歳の今でも続いている。

 

妹は一見するとまるで口がきけない人のようでさえある。

 

質問しても「ふふん」と鼻で笑うか

「あ〜」とだけ言うか

 

全く会話にならない。

 

梅子が喋るのは、芸能人のネタと

会社のシステムや同僚のことだけ。

 

自分自身のことは一切喋らない。

 

今何を思い何を大事にして生きているのか

将来の夢とか好きな人のこととか。

 

何も。

 

表情もほとんど変化しないから

私は一時期「お地蔵さん」と呼んでいた。

 

実家に帰ってきたら

昼間でもリビングでほぼ寝ている。

 

どこに行きたいとか何を食べたいとかの

意思表示が全くない。

 

でも家族で出かけるときは一緒には行く。

 

何をするでもなく、ただ黙って一緒にいる。

 

はしゃぐことも、疲れた顔をすることもない。

 

心拍停止の心電図のように、ずっと同じ一本線。

 

そういえば、子供の頃から私は妹の涙をみた記憶がない。

 

泣いたことあるの?

あるらしいけど、人には見せないんだろう。

 

嬉しいとか悲しいとか

感情さえも心の奥深くに鍵を厳重にかけて

しまい込んでしまったみたいだ。

 

もし赤ちゃんだったら、こんなに感情が見えなかったら

発達障害を疑って病院へ行ってしまうほど。

 

感情や意思をさらけ出してその度に

親に否定されて傷ついている姉を見てきたから

妹はこうなったんだ。

 

「私は誰かに自分の思いを分かってもらおうだなんて

思わない。誰にも期待しない。1人で自分の力だけで

生きていく。」

 

大きな岩のようにテコでも動かない梅子の

固い決意が見える。

 

何も喋らないけど、何か言いたいのは、含んでいるのは

その空気はたっぷり全身から染み出しているから。

 

人は、喋らないと言う選択はできても

潜在意識はどうしても隠せない。

 

誰にも気持ちを共有しようとしない

寂しい妹は、結婚どころかまともな恋愛もできず

定年になったらさっさと死にたいという将来の夢?

を持つようになってしまった。

 

妹は、正面から戦っている私以上に

毒親の犠牲者なのかもしれない。