子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

子供を信じる育児:オムツ卒業も子供に任せる。

娘は気づけば3歳半になっていた。

 

気づけば、、、なんて言うのがシングルマザーの余裕のなさを

表しているのはさておき、

3歳半。そろそろオムツを卒業してほしい年頃である。

 

娘は去年の12月はじめに突然自分から

「トイレ行ってくる」と言って1人でトイレへ行き

ジャーっと水を流して

「ちっこ出たよ〜」と言った。

 

赤ちゃんの時から毎日私のトイレに付いてきて

一連の流れを飽きるほど見つめていたので

トイレが何をする場所か、というのはよくわかっている。

 

おまるも補助便座もだいぶまえに用意済み。

 

でも3歳になったばかりの去年の12月には

まあ、まだいいか、と正直面倒なので特に声かけなどは

していなかった。

 

それが突然ニコニコ1人でトイレでおしっこをしたので

私は嬉しくて俄然やる気になり

 

このままオムツ卒業なんだわ〜!!と

張り切ってしまった。

 

年内にオムツ卒業!と母は勝手に目標を掲げ、

保育園の先生にもその計画を伝え協力を要請。

 

トイレにご褒美シール表を貼り、

なるべくパンツを履かせて

事あるごとに

「トイレ行く?」

「ちっこは?大丈夫?」

「うんちもトイレでしていいんだよ。」

 

など頭の中が トイレ・シッコ・うんちで

いっぱいになってしまった。

 

経験者は言わなくてもわかるだろうが

母親がこうなってしまうと子はかえって

やらなくなるのである・・・。

 

母の鬼気迫る表情をみて

子供は「トイレ行かない」

「オムツがいい」と言うように・・・。

 

ああ〜、がっかりだ残念だ空回りだ、と

思っていた矢先、上階からの水漏れで

トイレが水浸し。

 

ご褒美シール表は溶けてなくなり

数日間トイレが使えなくなるという

神様からのメッセージ。

 

ごめん。

ママ怖かったよね。

トイレトイレうるさいよね。

 

そしてまあ、気長にやろう〜と

また思い直し、小学生でオムツ履いてる子は

いないんだから、と言い聞かせ

しばらく放置することにした。

 

母が放置するとまた子供は自主的に

やる。

 

4月のある日、1人でトイレに入ったかと

思うとしばらく出てこない。

 

そして

「うんち出たよ〜」と嬉しそうな声が。

 

え!!うそ!!

 

まさか急にうんちが成功するとは。

大喜びで抱きしめるママに娘も嬉しそう。

 

うんちが出てハイタッチなんて

一生に何回もないぜ。

 

またやる気が出た母。

それに比例して嫌がる娘・・・。

 

まただ。

私が張り切ると逆効果。

 

まさにトイレトレーニングは一進一退。

 

4月の終わり頃、こども園の先生が日中はパンツで

過ごさせるようにするのでパンツを多めに持ってきてくださいと

申し出てくれた。

 

園でトイトレを頑張ってくれている。

 

おかげでこども園ではトイレですることが多くなり

帰るときまで朝のパンツを濡らしていない日も

多くなった。

 

なのに。

 

なぜか家では頑としてオムツを脱がない。

 

「なんでオムツ脱がないの?」

「え〜だって鬼くるもん。」

「もうお姉ちゃんなのにオムツ履いている方が

鬼くるよ。オムツの鬼くるよ。」

「ええ〜違うで。パンツ履いたら鬼くるもん。」

 

は!!

 

書いていて気づいてしまった。

 

鬼って鬼気迫る表情で

「トイレは?「ちっこ大丈夫?」と

言う私のことではないか!!

 

がっくし・・

 

やっぱり。

家で頑としてオムツを脱がないのは

母がトイレの鬼になるのが嫌だったからなのね・・・。

 

巷では3日でオムツ卒業トレーニング必勝法!とか

1歳半でオムツ卒業させるテクニック!だとか

 

あれこれあってどこのママさんも頭を悩ませ

ストレスまみれになりながら子供のお尻に注目する

時期を過ごしているようだけど

 

3歳半までにオムツを卒業した子が最も多いという

育児サイトのデータをみて

3歳半の今月中になんとしてでもオムツ卒業させてやる!と

また子供が怖がる意気込みを持ちかけていた私は

はたと気づいた・・・・。

 

 

そもそも、オムツ卒業って親が決めることなの?

子供の膀胱にどれくらい尿が溜まってるかとか

いつうんちが出るタイミングかとか

親とはいえ別の肉体をもつ他人にわかることなの?

 

1歳半で鬼のトレーニングの結果オムツを卒業させたが

小四までおねしょが治らず、夜尿症の治療に通う羽目に

なった子供のママさんが後悔の念を綴った書き込みも見た。

 

お医者さんに

「膀胱に十分に尿を溜める力が発達していないうちに

頻繁に排尿させられたために少しでも尿が膀胱にできると

すぐに排尿するという体になってしまったことが

おねしょの原因です。」と言われたのだそうだ。

 

トイレトレーニングとは

親や保育士が2時間置きなどにトイレに誘う。

出なくてもとにかくトイレやおまるに座らせるようにする。

ことらしいが

 

確かに自分以外の人間にトイレのタイミングを決められて

少しでもいいからとにかく時間がきたら排尿しましょう、と

されると、膀胱に溜める力は育たない。

 

通常大人は膀胱にそこそこ尿が溜まってきたら

尿意を感じてトイレに行く。

 

大人になれば予定を考えて

バスに乗る前にトイレ行っておこう、とかできるけれど

 

まだ膀胱が発達途中の幼児が

膀胱におしっこが限界近くまで溜まる=トイレに行く。

 

ではなく

 

時間だからトイレに座る=おしっこする。

 

と体に覚えさせると

トイレに行かない夜中には少しの尿で出てしまう、

ということになる。

 

もしかして、トイレトレーニングって

人間の自然な発達を無視した邪魔になる方法なのでは?

自然派育児を心がけている私は妙に納得したのであった。

 

祖母やおばあちゃん世代の人に

昔は1歳代でオムツ卒業したものよ、言われるという声も

よく聞く。

 

しかしそれは当時は布おむつだったからである。

布オムツ、ただ布を多めに巻いただけのものであれば

濡れたら気持ち悪いので2歳くらいになれば

子供は自然と嫌だ、と思うのかもしれない。

 

戦後すぐの頃は布おむつさえ勿体無いので

夏はお尻丸出しで田畑で遊んでいたとか。

(両親が子供の頃の話)

 

お尻丸出しにしておけば

垂れ流すのはさすがに子供も気持ち悪いので

自然とトイレに行くようになるそうだ。

 

ところが今のように快適すぎる紙おむつに

慣れてしまうと、遊んでいてもテレビを見ていても

親にやたら「シッコは?トイレは?」とガミガミ

言われるパンツより、オムツの方が楽だと

子供が感じても無理はない。

 

子供というのはとにかくなんでも

親に口うるさく言われるのが何より嫌なのものである。

 

小学生が「宿題しなさい」と言われた途端

やりたくなくなるのと同じことで

 

3歳児に「トイレでしなさい」とガミガミ言うと

行きたくなくなる。

 

私がこんな風に冷静に考えているのは

つい先日躍起になってオムツを脱がせようとして

子供も意地になって6時間オムツを頑として

脱がない、という腹の立つ日があったからだ。

 

なんだか私はこの子はとにかく親に反抗したいだけ

なんじゃないか。

当たり前のことを言っているだけなのに。

濡れたオムツずっと履いてるとお尻痛くなるから

あなたのためを思って言ってるだけなのに。

何も難しいこと言ってないのに。

 

やっぱり私がひとり親だからこんなことも

うまく行かない。

パパがいたら違うんだろうか。

なんでトイレとおしっこのことばかり考えなきゃいけないの。

こんな苦労するなんてなんで私・・・

 

と、たかがオムツされどオムツで

異常に自分を追い込んでしまい

 

オムツ脱がないならママお外行くからね。

1人でおうちにいなさい。

そしたら誰もトイレとかうるさく言わないから

いいでしょ!

 

などとカバンを持って出て行くそぶりを見せ

幼い娘が私のズボンの裾を掴んで

「ママお外行かないで〜ママがいい〜」

と号泣させるというほぼ虐待のようなことを

やってしまい

 

数時間後に心底反省したという経緯がある。

 

同じように子供がオムツを卒業できないことに

この世の終わりかのように悩んで絶望している

ママも少なからずいると思う。

 

だけど排泄って、人に言われてするものなのか?

 

常に「ヒトも動物」という概念を持って

人間の行動と感情を研究している私としては

誰が言い出したか強制的な「トイレトレーニング」と

いう言葉にいつの間にか呪われていた自分に

気が付いたのであった。

 

排泄は生き物のごく自然な身体機能の1つ。

 

そしてモンテッソーリ教育の流れを組む

私が預けている園の理事長がいつも言っていることは

 

子供には何も教えなくていい。

ただ、環境を与えなさい。

 

 

トイレはこうやってする。

3歳だからオムツは卒業しないとだめ。

2時間たったらトイレに座りなさい。

 

これは「教える」こと。

 

オムツからパンツにするために用意できる

環境とは

 

・トイレは排泄する場所であることを知らせる。

・子供が座れるようにステップと補助便座を設置。

あるいはおまるを置く。

・トイレが怖い場所にならないように飾るのもあり。

・オムツを全捨てはしないがパンツも手に取れるように

並べておく。

 

 

赤ちゃん以外の大きいお兄ちゃんお姉ちゃんや

大人はオムツではなくパンツという布を履いていること。

 

そして排泄したくなったらトイレという場所に行って

すること。

 

この2点を知識として分からせる。

 

やりたくなっても知らないとできないから。

 

つまり

 

トイレしたくなったら自分で行くことができる

環境を用意しておく。

 

もしかしたら、これだけでいいのかもしれない。

 

私はすぐに

オムツだけを入れていた箱にカラフルな布パンツを並べた。

 

あとは、娘がある日

「もうオムツいらない。パンツがいい。」

と自主的に言う日を待つだけである。

 

11ヶ月で自主的に突然卒乳した娘である。

 

オムツもきっと自分から卒業できる。

 

子供は本来成長したいもの。

自分でできるようになりたいのが本能。

 

オムツを卒業するかどうかも

やっぱり他のことと同じように

 

子供を信じてみよう。