子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

親が仕事などで自己実現することに夢中になると失うもの

これはわたしの後悔からの分析です。

 

わたしは出産直後、夫が仕事をしていないことが

急に不安になり

当時資産家の夫の両親からの仕送りとカードで

十二分に贅沢な暮らしができていたにも関わらず

 

今は大丈夫でも両親ももう歳だし

いつ切られるかわからない。

だいたい子供が生まれても財布の紐を義理両親に

握られっぱなしなんて絶対嫌だ。

 

夫が自分で稼げないなら

わたしが稼ぐ!

 

そんな焦りがあり

0歳の赤ちゃんが昼寝している時と

夜寝かしつけたあと

 

1分1秒を惜しんで将来につなげるため

ブログを更新していた。

 

赤ちゃんが起きている間は

わたしは赤ちゃんにつきっきりで

夫はずっとそばにいてわたしに何か

自分の話をベラベラ話したりしていたけど

 

初めての赤ちゃんの世話に

わたしは夫の話を真剣に聞く余裕など

ほとんどなかった。

 

だからかまってちゃんの夫は

子供が寝ている時間だけが夫婦の時間だと

ばかりに

 

わたしを誘い、おしゃべりしたり

仲良ししたりしようとした。

 

だけどわたしは、その時間の全てを

仕事に繋がる活動に使いたくて

仕方なかった。

 

ブログで収益を上げる方法を

ネットや講座で学んだり

小遣い程度でも収益を得られるように

なるためには最低1年はかかると

言われていたので

 

とても焦っていた。

 

当時住んでいた外国の情報を

アップして、なんとかそこから

収入につなげようと必死だった。

 

夫が統合失調症だし

今までまともに自分で稼いだことなど

ないし

好奇心と行動力はずば抜けてあるけれども

何事も形になるまで続いたことがない。

 

父親の役割は仕事してお金を稼いでくる

ことよ!

いつまでも親に頼っていられないの!

 

そう言ってガラスの心の夫の

お尻に火をつけることにも余念がなかったが

心の奥ではこの人が仕事ができるなんて

信じていなかったのかもしれない。

 

だからこそ

初めて暮らす国で初めての赤ちゃんの

世話をしながら

仕事に繋がる活動を少しでもしようと

躍起になっていた。

 

出産直前まで

暇な時間は携帯ゲームしたり

ドラマを見たり

何時間も夫とおしゃべりしたり

のんびりしていたのに。

 

母親になった瞬間

仕事して自立して

人並みの生活を子どもに与えられる

ちゃんとした親にならないと!

 

そんな思いに囚われ

夫の訴えなど耳に入ってこなくなっていた。

 

一日も早く自分たちで稼げるようになって

夫の親からの仕送りを断り

誰にも恥じない人並みの家族になりたいと

強く思っていた。

 

夫は、そんなわたしの姿を見て

悲しかったんだろう。

 

「気づいて」

「大丈夫だから」

「ゆっくり行こうよ」

 

そんなメッセージを折に触れて

わたしに発していたように思う。

 

当時のわたしは、スルーだった。

 

「これから世の中は緑の星になる」

「働き方も変わる」

「旅しながら収入を得る方法もある」

「なんとでもなるって」

 

そんなことも、夫は言っていたのに

あの時のわたしには理解できなかった。

 

何言ってんの。

本当わかってないな。

これだからボンボンは。

 

わたしは公務員家庭で親にこれでもかと

植え付けられてきた昭和の価値観に

自分が縛られていることにさえ

気づいていなかった。

 

それが、自分の魂の望みなんかではなく

親や今までの旧時代の社会からの刷り込み

であることに、まだ気づいていなかった。

 

出産後のわたしは異常に忙しくなっていた。

 

なんせ、夫が毎日朝から晩まで家にいる。

わたしにあれこれ話しかけてくる。

 

わたしの頭の中は赤ちゃんの世話と

仕事につなげる方法の模索でいっぱい。

 

夫が昼間仕事に出ている普通の家庭なら

夜子どもを寝かせた後に夫婦の会話の時間、

でいいと思う。

 

でもうちの場合は、夫は一日中わたしと

赤ちゃんと同じ部屋にいたのだから

子供が寝ている時間くらい、一人にさせてくれ。

 

そう思うのも無理はなかった。

 

一人になって、ブログを更新したり

勉強したり、考えをまとめたりする時間が

わたしにはどうしても必要だった。

 

そうして、わたしは夫を失った。

 

きっかけは母のいじめだし

原因はいろいろなことが重なっているけれど

 

産後わたしが家にいる夫を

構わなかったのも大きな要因だ。

 

夫は、だから離婚しようと言ったわけではなく

精神状態が悪化して自暴自棄になって

食べなかったり暴れたりギャンブルしたりすることで

自分の不満をアピールし

 

幼い子供がいる家の中で

ものを投げて暴れる夫に

わたしは逃げ出す以外に方法がなかった。

 

わたしが赤ちゃんが寝ている1時間を利用して

必死に仕事に繋がる活動をしていた傍で

夫は親にもらった生活費をギャンブルに

注ぎ込み、1500万もの借金を作った。

 

そしてわたしを鼠講に誘い入れたり

してきた。

 

悲しかった。

まともな家庭を望んでいただけなのに

どんどん異常になっていく自分の家庭。

 

子供が生まれたら仕事に精を出すご主人が

多いと聞いていたのに

夫には無理だった。

 

いや、精神疾患を持っていて仕事をしていない

状態で結婚したくせに

今更まともな家庭など望んだわたしの方こそ

どうかしていた。

 

最初から普通とはかけ離れた結婚生活

だったのに、子供が生まれた途端に

”普通”を望んだわたしは

あまりに愚かだった。

 

それがどれほど夫を傷つけたことだろう。

 

普通じゃない夫から得ていたものは

普通の結婚生活を送っている人がどんなに

望んでも手に入れられないほど

大きかったというのに。

 

全部失って

しばらく経ってから

ようやく気づいた。

 

離婚のゴタゴタでサーバーの更新料金の
支払いができていないことにも数ヶ月

気づかず、夫との時間より優先して

作り上げていたブログも消えてしまった。

 

本物のサイキックだった夫は

数年前から今の時代の流れが

感覚的に分かっていたんだろう。

 

会社に通勤するという今までの

普通ができなくなった2020年を。

 

Youtubeに一人でキャンプしている様子を

アップするだけで十分生活できる収入を

得られる時代になることを。

 

焦る必要なんかなかった。

 

会社に通勤することができない

精神病患者でも、家にいてお金を

稼ぐことはできる。

 

自暴自棄になってさえいなければ

誰かの支えがあれば

食べていく方法なんて

いくらでもあった。

 

家族で島に移住して

小屋暮らしも素敵な生き方だ。

 

健全な子育てに必要なことは

健全な精神を持った親と

平和に暮らすことだけ。

 

塾やデパートなんか必要ない。

 

穏やかに笑い合っている仲のいい

両親と、家族みんなが食べていけるだけの

収入と雨風をしのぐ家があれば

 

それだけでいい。

 

わたしは、すでに持っているものに

目を向けず、何かを得ようと必死になっていた。

 

だから多くを失った。

 

コロナで世界が激変した今

小屋暮らしやキャンプ生活や

島暮らしが注目され

 

この時代なら

あの夫と幼い娘とどうやっても

暮らしていけただろうになあ、という

思いが溢れる。

 

わたしが彼にプレッシャーを与えたり

しなければ、彼は幼い娘と上手に遊んでくれた

だろう。

 

そしてできることはたくさんあった。

 

今こうしてパソコンに向かう時間は

あっても

母子二人では難しいことがたくさんある。

 

会社勤めをしていない夫がいたなら

私たちはどこにでも住めたし何でもできた。

 

昭和の時代

会社人間と呼ばれた夫たちは

妻子の愛情と信頼を失って行った。

 

家族を養うために必死に働いてきたのに

家族はそれを全然幸せだと思ってくれて

いなくて、

定年後に離婚届を突き出される始末。

 

今日の「グッと、地球便」では

石垣島で船大工をして家族四人

島暮らしを満喫している人が出ていた。

 

彼が最優先にしているのは

家族との時間と、好きなことをして

生きていくこと。

 

母と弟は転職と引越しを繰り返していた

兄を心配していたが

今年、どっちが正解だったか、はっきり分かった。

 

「逆に稼ぎすぎないように気をつけてますね。

変な言い方ですけど、家族との時間が一番大事なんで

食べていけるだけの収入を得たらそれ以上仕事

しすぎないようにはしてます。」

 

正しいなあ。

なんて、正しいんだろう。

 

この人がパソコンやSNSで情報発信しているか

どうかは知らないけれど

自分で作った木の船に家族四人で乗って

海にぷかぷか浮いている姿は

 

なんか、とっても正しかった。

 

今の時代

スマホやパソコンに向かう時間を

家族との時間より優先させてしまっている

人は多いだろう。

 

それによって

家族がすぐにバラバラになる可能性は

高くないにしても

 

親が自分より他のことを優先していた姿は

子どもの心にしっかりと刻み込まれる。

 

妻や夫が他の何かに夢中で自分の話を

聞いてくれない不満は、しっかりと

蓄積して信頼関係を壊していく。

 

家族が崩壊した後のわたしは

父と母が父の仕事で国から表彰された時の

正装の写真を見て思う。

 

「子どもを犠牲にして得た賞だね」

 

父はよその誰かを救ってきたんだろう。

だけど娘の心は、救ってくれなかった。

 

母は何があってもパートの仕事を休まなかった。

 

雪の降る中、新聞配達のバイクで転倒した日も

膝から大出血しながら病院にも行かず

次の仕事先のコンビニで立ち仕事をした。

 

すぐに処置しなかった膝の傷跡は

今もボコボコと残っている。

 

「お母さん仕事やから」

「お母さん仕事あるから行けないけど」

「お父さん明日大変なお仕事あるから
静かにしなさい」

 

”お父さん/お母さん仕事”

 

この言葉はまるで母の印籠のようだった。

 

仕事より優先すべきことはない。

だから「仕事」と言ったらそれ以上

何も言うことはできない。

 

わたしが両親から得た教えの一つだ。

 

子どもの頃から最近までずっと

そんな親に感謝していた。

 

お父さんお母さんが何より優先して

一生懸命働いてくれたから

今わたしはこうして生きている。

 

だけど一方で、実は悲しみから来る

怒りをずっとため込んでいたんだと

自分が離婚して潜在意識を掘り出す

ワークをやり始めてから気づいた。

 

両親が70歳を迎えて

もしもこの先両親の病気や怪我や

介護など困ったことがあって

わたしに連絡してくることがあったなら

 

「こっちで仕事あるから行けないわ」

「仕事は休めないもの。そうでしょう?」

 

そう言ってやろう、と密かに思っている。

 

人間は人間との関わりの中でしか

生きていけない。

幸福を感じることができない。

 

夫婦や親子という土台の愛情を

しっかり構築すること以上に

優先すべきことなんか一つもない。

 

ベーシックインカムの世界だって

現実味を帯びてきている。

 

仕事は無数にあるし

金は天下の回りもの。

 

人間力さえあれば

安定した精神さえ持っていれば

何をしても生きていける。

 

最優先にすべきことは

家族との時間。

家族のこころ。

 

今のわたしははっきりと断言できる。