子の心親知らず

実の母親に家庭を壊された毒親育ちのシングルマザーが親子のあり方を考察するブログ。

子どもに大人の気持ちをわかってもらおうとするな

日曜日。

 

私はすごく落ち込んでいた。

 

朝起きるなり、子どもが

「どうして中国に来たの?ずっとじいじとばあばの

お家にいたかった。じいじばあばに会いたい。

A君に会いたい。Bちゃんに会いたい。」

と言ってきて

 

「ママこっちにお仕事あるからね。

日本にはないの。」

 

「でもじいじばあばのお家にいた時

ママ2階でパソコンでお仕事してたよ。

またそうやってできないの?」

 

こんなことを半泣きで言われて

私の目から涙が流れた。

 

6歳になって

少しづついろんなことがわかるように

なってきた娘は

自分の置かれている環境についても

考えるようになって

過去や未来のことまで考えるようになって

 

こんなことを言うようになった。

 

日本がいい。じいじばあばのお家がいいと

言われたのは初めてではなく

娘が6歳になってからもう3回目くらいだ。

 

だから私は、4歳の時に実家に帰ったことを

後悔している。

 

3歳の時は、まだ娘はただ親にくっついている

だけで、ママがいればそこが自分の居場所で

過去も未来も考えることなく

「今・ここ」で懸命に楽しんでいた。

 

そうしたことも考えた上で

早い方がいいと離婚から1年半、3歳半で

思い切って日本を出たのに

 

冬休みに子どもを見てもらって

骨休めするはずがコロナロックダウンで

1年近くも日本に足止めされてしまい

 

4歳の1年を日本の祖父母の家で過ごした

娘は、日本語を母語として確立し

日本人としてのアイデンティもうっすら芽生え

日本が大好きになった。

 

人は、3歳以下のことはほぼ記憶しないが

それ以上の年齢でしたことは記憶に残る。

 

3歳の時に行った場所のことや

会った人のことや、

楽しかったことも辛かったことも

娘は覚えていないけれど

 

4歳の時にしたことや行った場所のことは

よく覚えている。

 

これを「物心がついた」と言うんだな。

 

だから娘は覚えている過去と今を

比較して、あっちの方がよかった、

などと言う感情を持つようになった。

 

そして、その言葉が

今私を傷つけている。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

あなたのパパは日本で死んだから

ママは今は日本に住みたくないの。

 

じいじばあばのお家にいると

辛いことを思い出すから

もう行けないの。

 

あなたは安心で楽しかったかもしれない
けど、じいじばあばのお家の2階で
パソコンでお仕事してたあの時

ママには地獄の日々だったのよ。

 

苦しくて苦しくて

仕方なかった。

 

じいじばあばね、

ママのお誕生日におめでとうって

言わなかったよ。

悪いでしょ。

それなのにそんなにいいと思うの?

 

日本で頑張ろうとしたことも

あったけど、こんなにいいお仕事は

日本にはないのよ。

 

ママは1人で、日本であなたを

養っていけない。

 

ここなら、いいお仕事があって

こんなに広いお家に住めて

欲しいものも全部買えるけど

 

日本にいたら

じいじばあばに助けてもらわないと

生きていけなかったの。

それは耐えられないから

ここに来たんだよ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

私が言いたいこと。

娘に、わかって欲しいこと。

 

この中のいくつかは

感情に任せて言ってしまった。

 

だけど6歳の子どもには

私の仕事のことも

収入と支出のバランスのことも

理解できないし

 

私と親との確執

出産後にあった家族の修羅場

私たち夫婦の過去

亡くなった人を思う気持ち

それに関与した人を憎む気持ち

 

故郷に帰れないと思うに至る気持ち

故郷を捨て国を出た私の覚悟

母親1人で子どもを育てる苦労

お金のやりくりや心配

自分時間がほとんど持てないストレス

私がたった1人で背負っている

とてつもなく大きな責任と任務

 

ママも人間で疲れるということ

ママも傷つくということ

あなたにとっては頼もしくて強くて

大きな母かもしれないけれど

 

本当はたいして大きくもない

力も強くない

スーパーウーマンじゃない

ただの女だということ

 

誰かに助けて欲しい

支えて欲しいと思っていて

 

1人じゃわからない

解決できないことも

たくさんある、

弱いところもある普通の人

だということ

 

大人の都合で環境を変えたのは

確かだけれど

そんな中でもあなたに精一杯

楽しんで欲しくて

この場所が好きだって思って欲しくて

 

いろんなところに連れて行ったり

おもちゃもいっぱい買ってあげたり

幼稚園の親子や職場の子持ちの同僚を

家に招いてパーティーしたり

いろいろ教材を買ったり

いい動画アプリを探したり

 

出来る限りのことは

本当に思いつく限り一生懸命

やっている

そんな、子を思う親心。

 

そんな大人の私の気持ちを

本当は子どもにもわかって欲しい。

 

早く言葉を覚えて

この地に馴染んで

お友達をたくさん作って

ママの苦労や親心も理解して

 

「ママありがとう。

私今楽しいよ。」って

そんなふうに言ってくれたら

どれほど報われるだろうと。

 

でも、まだ未就学の6歳児に

そんなことを期待してはいけない。

 

特に、じいじばあばと私とパパとの

間にあった不愉快な一連の出来事と

私の母に対する気持ち、

母が私や夫にしてきたこと、

この子のパパがどんな状況で死んで

どんな気持ちだったか

 

そういった、今も私を苦しめている

これらのことは

一番子どもに言ってはいけないことだ。

 

でも、娘に私の生死をかけた選択が

間違いだったかのようなことを言われて、

解決できない無理難題を突きつけられて

悲しくて苦しくてやり場がなくて

 

わかって欲しい、と思ってしまう。

 

この子さえも、もう私の味方じゃ

なくなってしまったのか、と

最後の一滴の養分さえ、干からびた

気がする。

 

たったの6年か。

子供が私の味方だったのは。

この6年、悲しかった。辛かった。

 

子どもが一番可愛くて楽しいはずの

この6年間が

人生で一番悲しくて辛いものに

なったなんて、私にはよほど

精算しないといけないカルマがあるんだろう。

 

そんな思いでも、

必死に子どもを愛して育ててきて

子どもは元気に大きくなったのに

感謝もしないで

じいじばあばがいいなどと

わがままを言ってくる。

 

子どもに感謝を求めるべきじゃない。

そんなことわかっている。

それは大人からして貰えばいい。

でも誰が私に感謝をくれる?

頑張ってるね、ってわかってくれる人は

今の私の周りには1人もいない。

 

でも、こうした大人の感情事情は

大人に聞いてもらわないといけない。

そばにそんな大人がいないからといって

子どもにそんな話を聞かせちゃいけない。

 

親のそんな言葉が、子どもの一生の傷に

なることもある。

あなたを産んでからママの人生は

大変なことになったと間違っても

そんなふうに伝わってしまったら

 

自分は生まれてくるべき存在じゃなかった

と自分の存在を否定する気持ちを持たせる

ことにもなりかねない。

 

もしも子どもがそんなふうに思うように

なったら、それこそが私の人生の失敗に

なるだろう。

 

ここまでの悲しみも苦しみも努力も

全ての意味がなくなってしまうだろう。

 

ひとり親だからそばに聞いてくれる人

なんていない。

家族はみんないなくなってしまった。

 

でも、自分の辛い気持ちを吐き出す

相手を見つけないのは、大人の怠慢で、

私は、お金を払えば話を聞いてくれる人が

いることは知っている。

 

カウンセラーや占い師。

離婚前からお世話になった。

それでもいいと思う。

 

しがらみがなくて。

一期一会でも。

友人よりはよほど上手に話を

聞いてくれる。

 

子どもには

理解できないことが

たくさんある。

 

聞かなくていいことがたくさんある。

知らなくていいことがある。

 

大人の私の辛い気持ちを

子どもにわかってもらおうとするな。

 

自分への戒めです。

 

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